高齢者医療
抗精神病薬やコリンエステラーゼ阻害薬は転倒リスクか?(BMJ. 2021 Sep 9;374:n1925) 今回は投薬前と投薬後をビッグデータを使って比較するという研究。実は治療前の状態が一番リスクが高いという結果で,Benefit/Harmバランスを考える上での試金石になるよう…
歯科介入による高齢者の体重減少の抑制効果(J Am Geriatr Soc. 2021 Sep;69(9):2498-2506.) MEALS ON WHEELの「O」にあたる部分の介入。 歯が少ない人に歯科介入があると体重減少のリスクを減らせるという日本からの観察研究になります。胸熱ですね。 Dental…
JAGSより転倒予防介入のメタアナリシス(J Am Geriatr Soc. 2021 Oct;69(10):2973-2984) 運動+αが有用という結論 Interventions for preventing falls and fall-related fractures in community-dwelling older adults: A systematic review and network meta…
入院設定での非劣性研究という設定ですが,皮下注/CSはもっといろいろな設定でつかってよいと個人的には思っていますAdverse effects of subcutaneous vs intravenous hydration in older adults: An assessor-blinded randomised controlled trial (RCT).Age…
前提の「VitDが充足している」の詳細がみつけられなかったのですが...栄養介入(乳製品を中心としたCaと1g/kg/d目標の蛋白補充強化)のみで骨折や転倒が減る,しかも女性も男性も!!ということで個人的にはすごい研究かなと・高齢者の骨折リスクをへらすための栄…
ガバペンチノイド(プレガバリン,ミロガバリン,ガバペンチン)→浮腫→利尿剤、の処方カスケードの研究(J Am Geriatr Soc. 2021 Oct;69(10):2842-2850.) ガバペンチノイドというくくりを初めて知りました。。 CCB→浮腫→ループに引き続き,リリカ→浮腫→利尿剤の処…
JHMの「Things We Do for No Reason™」(TWDNR)シリーズよりせん妄を呈した高齢者にルーチンで尿検査を行うか? の抜粋です CommonDzのプラクティスやその背景をしっかり見直すよい機会で勉強になりました Things We Do for No Reason™: Obtaining Urine Tes…
鳥と卵、どっちがどっちはともかく...難聴→認知症、だけでなく難聴と身体機能低下速度、難聴と身体機能低下の存在、は関連があるという報告。 このへんは今後出るであろう前向き介入研究に期待、というところでしょうか。 進行中の難聴介入の前向き研究も結…
事件は現場で起きている!?ということで作業療法士による家庭環境を対象とした介入を行った転倒予防のRCT 結果はNegative studyと残念な結果。転倒予防研究はPopulationの選定とアドヒアランスや介入の遵守率がネックな気がしています。Positive studyが出な…
院内でのベッド移動と院内感染症の発症に関連性はあるか、という研究@BMJQS なにをもって不要とするか、の基準は難しそうですが...大事な視点での研究だと思いました Association between intrahospital transfer and hospital-acquired infection in the el…
毎月獨協でさせていただいている老年内科Lecture 今回は脂質異常症をテーマにさせていただきました 日本と海外のガイドラインの比較,6%ルール,有害事象,ノセボなどの確認と 75歳異常,フレイルや終末期の状況でのスタチン継続の是非...etc 話させていただきま…
Individualizing Prevention for Older AdultsJ Am Geriatr Soc. 2018 Feb;66(2):229-234.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29155445/毎月獨協総診で老年内科Lectureをさせていただいていて,その時いただいた質問がきっかけで調べた文献になります JAGS2018…
Get up and go/Timed up and goは色々情報得られるのですが転倒に関するエビデンスという点では実はふわっとしています(J Am Geriatr Soc. 2013 Feb;61(2):202-8.BMC Geriatr. 2014 Feb 1;14:14.Age and Ageing 2008; 37: 442–448)なので個人的にはSPPBのほ…
サルコペニア AWGSのガイドラインがupdateされていたことを最近しりましたということで流し読み より多くの医療者/患者群に適応になりように変化があり、評価にSPPBが組み込まれているのが個人的には好きですAsian Working Group for Sarcopenia: 2019 Conse…
■降圧剤で転倒するのか② SPRINT研究以外にも色々調べてみると...研究によって差があり systematic review and meta-analysisだと有意差なしの結果 「健康な高齢者」なのか「機能障害がある高齢者」なのか,起立性低血圧があるのかないか...このへんはなかなか…
JC:降圧剤で転倒するのか① 降圧の歴史を変えたSPRINTstudyの関連文献で高齢者の降圧で転倒を増えるか調べてみました SPRINTstudyに組み込まれるような(高リスクの)健康な高齢者では降圧による転倒リスクで有意差は出ない、という結果 (関連文献の多さにも驚…
■Clinical Frailty Scaleに関して・定義がわかりやすい・臨床応用しやすいと非常に使いやすいCFS そして,CFSは様々な臨床転機と相関しているという報告(BMC Geriatr. 2020 Oct 7;20(1):393)もあります。高齢者医療に興味がある!!ってひとはCFSを意識してみる…
フレイル患者における降圧はどうするかCirc Res. 2019 Mar 29;124(7):1045-1060.レビューからの抜粋・健康な高齢者を対象とした臨床研究では80歳以上でも降圧のメリットが示されている・しかし、超高齢者では機能的不均一性が非常に大きいため、一律の治療戦…
高齢者の血圧管理に関して 1.血圧は死亡14-18年前にピークを迎え徐々に減る(JAMA Intern Med. 2018 Jan 1;178(1):93-99.) 2.2剤以上併用の高齢者で降圧剤中止してもあまり変化はない(JAMA. 2020 May 26;323(20):2039-2051.) Blood Pressure Trajectories in …
■食後低血圧 Postprandial hypotension に関して ■病態や疫学など・食後低血圧の病態は十分にはわかっていない。脾臓の血液貯留に対する交感神経の補正の不十分,圧反射低下,食後の心拍出増加不十分,末梢血管収縮,インスリンによる血管拡張,消化管ペプチドに…
ガチっぽいデザイン+大規模研究での転倒介入Negative studyなので個人的には残念でした。論文の量に悶絶しつつ流し読み(Discussion部分が個人的には最高でした).コストに関して一旦カットしてます。 Negative Studyではありますが...Fall prevention interve…
個人的にはPreventable Dementia (Lancet 2020; 396: 413–46)は主に・心血管リスク系(高血圧,喫煙,肥満,運動不足,糖尿病)・政策系(大気汚染,教育)・その他(社会的孤立,難聴,外傷性脳損傷,アルコール多飲)に分かれていると思っています。難聴→認知症、に関し…
転倒ガチ勢によるガチ評価というところでしょうか。転倒で介入可能な原因が見逃されているという研究。頻度が高すぎる!?など色々思うところはある結果ですが,「視力評価の視点は大事」「FRID(fall-risk-increasing drug)への介入はER側だと難しい」とも思い…
フレイルの表現型基準すべて該当するとPoint of no returnかも?(J Am Geriatr Soc. 2021 Apr;69(4):908-915) 個人的には激熱論文でした。フレイルは表現型モデルのほうが臨床的には使いやすいです。3-4個であればリターンできる可能性があり,5個すべて該当に…
難聴や難聴+視力障害は認知機能低下リスクという論文です。難聴自体が認知機能低下リスクですが、視力障害もくわわると上乗せされるかも?という話でした。(なお、視力障害単体では有意差なし) Longitudinal Association Between Hearing Loss, Vision Loss,…
介護者の評価はどのようにするべきかというインタビューの論文です。標準化された介護者評価が良いことにはみな賛同しているが,障壁は色々...という結果です(フレイルのJ-CHSのような簡潔かつ妥当性のある評価が理想ですよね)。 Caregiver Needs Assessment …
介護者のニーズやリスクは多様で、構造化した評価はされていないという報告でした。ぱっと思いつくのがZaritですが...Resultの内容には納得です。そうはいっても非構造化の評価が悪いかどうかは評価が必要だと思います。 (診断学的にもSystem1 vs 2は特に変…
VitDスクリーニングに関するJAMAのreviewです(JAMA. 2021 Apr 13;325(14):1443-1463) 無症候性の人に対してはメリットがない、という結果。VitDスキーな自分としては身体機能,ADL,転倒などをアウトカムとして患者群を選んでやれば...とは思っているのですが…
アルツハイマー型認知症の患者に非定型抗精神病薬を使用すると認知機能低下(MMSE 0.9点低下)と関連という報告(J Am Geriatr Soc. 2021 Apr;69(4):955-963.) また認知症のNPI‐Q/行動心理症状を改善する薬剤もありませんでした。 Psychotropic Medication and …
高齢者医療においてNSAIDsは須く悪い、というのも極端な気もしますし、こういう検証は大事だと思います 暴露が自己申告というのが気にはなりますが。。Association of Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs with Kidney Health in Ambulatory Older Adults…