ある病院総合診療医の備忘録+α

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

JC 流し読み

最近でた敗血症関連の文献をいくつか

・NEWSは有用,qSOFAは特異度高いけど感度は低い

・初期にノルアドを使った方がショックのコントロールしやすい

・輸液量は60ml/kg以下でもいいかも

・初期の感染症の誤診は1割以上で発生し,死亡率が1割近く上昇する

などなど...

 

Comparison of SIRS, qSOFA, and NEWS for the early identification of sepsis in the Emergency Department.
Am J Emerg Med. 2018 Nov 7. pii: S0735-6757(18)30889-1.

ERでNEWS vs SIRS vs qSOFAを比較した14861人の後ろ向き研究

AUROCはNEWS,SIRS,qSOFAで
重症敗血症/敗血症性ショック(0.91,0.88,0.81)
敗血症性ショック(0.93,0.88,0.84)
敗血症関連死亡(0.95,0.89,0.87)
の結果でNEWSが一番よかった

重症敗血症/敗血症性ショックの検出は
NEWS4以上が感度84.2%,特異度85.0%
SIRS2以上が感度86.1%,特異度79.1%
qSOFAは感度28.5%,特異度98.9%

ということでNEWSは複雑だけど有用性は高い。
qSOFAは特異度高いけど感度が低い。


Early Use of Norepinephrine in Septic Shock Resuscitation (CENSER). A Randomized Trial.
Am J Respir Crit Care Med. 2019 May 1;199(9):1097-1105.

前向きに単一施設で無作為化二重盲検の研究
P:低血圧を伴う敗血症
E:ノルアドレナリン/NAD(155人)
C:プラセボ(155人)
O:6時間までのショックコントロール率(2h連続してMBP65mmHg以上,尿量0.5ml/kg/hの達成,乳酸10%以上の低下)

患者群のDataは一致していた。薬剤投与までの時間はNAD群のほうが有意に早かった(93分 vs 192分)。6hまでのショックコントロール率はNADの方が有意に高かった(76.1% vs 48.4%)。28d死亡率は有意差なし(15.5% vs 21.9%)
初期にNADを使うと6h以内にショックをコントロールしやすいという結果。


The Restrictive IV Fluid Trial in Severe Sepsis and Septic Shock(RIFTS): A Randomized Pilot Study.
Crit Care Med. 2019 Jul;47(7):951-959.

敗血症に対しての輸液量の最適量を調べる前向き無作為対照試験

P:重症敗血症と敗血症性ショック
E:輸液量を60ml/kg以下(55人,47.1ml/kg)
C:最初の72時間は通常のケア(54人)
O:死亡率,新規の臓器不全,入院期間,ICU滞在期間,重篤な有害事象に有意差はなかった

60ml/kgを入れない制限的な輸液戦略を示唆する研究

In-hospital mortality associated with the misdiagnosis or unidentifiedsite of infection at admission.
Crit Care. 2019 Jun 6;23(1):202.

日本での多施設前向きコホート
974人の敗血症症例で11.6%で誤診(初期診断の感染の疑いの部位と最終診断時の感染の部位が不一致だった)があった
誤診をだった群は背景,感染症の部位,重症度の調整にもかかわらず高い死亡率を示した
院内死亡率の調整オッズ比はGEEモデルで2.66,経口スコア一致モデルで3.03
GEEモデルにおける絶対リスクの差は0.11だった
誤診により院内死亡は10%以上増える