ある病院総合診療医の備忘録+α

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

Ocular dippingに関して

前回触れたObular bobbingの逆VersionでOcular dippingがあるので今回はそれに関して調べてみました

まず動画へのLinkになります(若干ほかの所見も混じってますが)

https://www.youtube.com/watch?v=lB7YzIRMV1Q
Ocular Dipping in Anoxic Brain Injury

 

繰り返しで恐縮なのですが...

Ocular bobbing:下方向に急速に移動してゆっくり上方向に戻る
Reverse ocular Bobbin/Ocular dipping:下方向にゆっくり移動して急速に上方向に戻る
Reverse ocular dipping:上方向にゆっくり移動して急速に下方向に戻る(上転している)

f:id:GeneralistCWTG:20191213160011p:plain
(JAMA Neurol. 2019 Aug 12. doi: 10.1001/jamaneurol.2019.2393)

 

になります。

 


Ocular dippingは低酸素脳症の症例で1981年にRopperで報告されたで非律動性,ゆっくりと下降し,短時間一時停止し,迅速に元の場所に戻る眼球運動異常になります(Arch Neurol. 1981;38(5):297-299.)

主な鑑別は低酸素性脳症ふくむ,びまん性脳損傷,代謝性脳症,てんかん重積,CJDなどで基本的に脳幹障害はなく,頭位眼球反射は保たれている。Roving eye movementsを伴うことはあっても良いということになっています(J Neurol Neurosurg Psychiatry. 1988 May;51(5):725-7.)

逆にReverse Ocular Dippingの主な鑑別は代謝性脳症やウィルス性脳炎。roving eye movementsを伴うことはなく,脳幹障害もない(J Neurol Neurosurg Psychiatry. 1988 May;51(5):725-7.)
フェンタニル中毒での報告もあります(BMJ Case Rep. 2014 Sep 29;2014 pii: bcr2014206951.)
https://casereports.bmj.com/content/2014/bcr-2014-206951.long

 

□まとめ
・Ocula dippingは下方向にゆっくり移動して急速に上方向に戻る眼球運動異常。Ocular bobbingと違って脳幹は保たれていることが多く鑑別はびまん性脳損傷,代謝性脳症,てんかん重積,CJDなどになる
・Reverse Ocular Dippingという上転タイプの眼球運動異常(Up slow/Down Fast)もあり代謝性脳症やウィルス性脳炎でみられる