ある病院総合診療医の備忘録

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

【JC】高齢者に対する降圧(140mmHg vs 120mmHg)で転倒リスクは上昇するか

転倒に関してのJCです

SPRINT研究のデーターを用いて120mmHg vs 140mmHgを対象とした降圧の結果,高齢者において転倒が上昇するかどうかを比較した研究です

 

Impact of Intensive Blood Pressure Therapy on Concern about Falling: Longitudinal Results from the Systolic Blood Pressure Intervention Trial (SPRINT).
J Am Geriatr Soc. 2019 Nov 28. doi: 10.1111/jgs.16264. (Original study)

SPRINT研究(N Engl J Med. 2015 Nov 26;373(22):2103-16)のサブサンプル分析
120mmHg目標の降圧 vs 140mmHg目標の降圧

参加者は50才以上で高血圧がある2313人,平均69才
結論としては転倒に有意差なし
年齢別に層別化しても有意差なし
75才以上でfalls self-efficacy scoreが0.3上昇した
結論としてSPRINT研究に参加するような十分な健康な人では120mmHgを目標にした降圧での転倒リスク上昇はなかった
 
という論文でした
 
同じ75才でも健康な人からADLが障害されている人色々です
まぁ高齢者医療なので個別化が大事、ということかなと