ケース流し読み
40代女性 時折痛みがでたり出血がでる臍の結節
JAMA Clinical Challengeより
https://jamanetwork.com/journals/jamadermatology/fullarticle/2759136
特に既往のない40代女性,1年間の間に時折痛みがでたり出血がでる臍の結節で受診
過去にステロイド注射がされたが改善はなかった
診察では赤みがかった茶色のつぶれない結節がありValsalvaでのサイズ変化はなかった
診断は?
診断:原発性の稀少部位子宮内膜症
骨盤外の子宮内膜症は稀だが眼球,脳,肺,腸管,皮膚などで報告がある
臍の子宮内膜症は骨盤外の子宮内膜症の0.5-1.0%
臍の子宮内膜症のほとんどが腹腔鏡手術後で手術歴がないケースはあまりない
原発性場合は血管ないしリンパ管を介した子宮内膜細胞の播種が考えられている
臍の子宮内膜症は赤褐色の結節が特徴的
鑑別はケロイド,尿膜管嚢胞,尿膜管遺残,転移性腺癌,腹壁ヘルニア,結節性黒色腫
鑑別に重要なのは月経期間と一致する痛みと出血で,診断には組織が必須
腹壁ヘルニアの可能性があれば穿孔を防ぐために生検前にUSかCTでの評価が必要
Valsalvaで変動があれば合併症のないヘルニアを示唆する
ということで頻度は稀ながらも原発性の臍部の子宮内膜症はあり,病理所見は特徴的。月経の周期に合致した症状で疑うべきだが,他の疾患の除外のためにも組織の評価が必須。というClinical Challengeでした