ある病院総合診療医の備忘録+α

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

【JC】高齢者の高血圧におけるCCB→ループの処方カスケード

高齢者の高血圧におけるCCB→ループの処方カスケードに関しての文献です

Evaluation of a Common Prescribing Cascade of Calcium Channel Blockers and Diuretics in Older Adults With Hypertension
JAMA Intern Med. 2020 Feb 24;e197087.

【内容の要旨】

・重要性:カルシウムチャンネル拮抗薬(Calcium Channel Blockers:CCB)は高血圧によく処方される薬であるが末梢性浮腫を引き起こす可能性がある。処方カスケードは浮腫が新しい疾患と誤って解釈され,治療のために利尿剤が新規に処方され発生する。この処方カスケードが発生する程度はよくわかっていない
・目的:高齢者の高血圧にCCBが処方され,その後の新規のループ利尿薬の処方を評価する。
・デザイン/参加者:2011年9月30日から2016年9月30日の間にカナダのオンタリオで66才以上の高血圧症の成人が対象のコホート研究
・暴露:CCBが新規に投与された群は次の2つのグループと比較された
①:ACE阻害薬かARBを新規に投与された群
②:無関係な薬が新規に投与された群
・主な転記と評価:転機はフォローアップの90日以内にループ利尿薬を投与された人,Cox比例ハザードモデルを使用した
・結果:66才以上の高血圧に対して新規にCCBを処方された41086人,ほかの降圧剤を投与された66494人,無関係な薬剤を新規に処方された231439人が含まれた。処方された日時点での平均年齢は74.5才,56.5%は女性。90日時点でループ利尿薬を投与された割合はCCB群で高かった(1.4% vs 0.7%と0.5%)。調整後でもCCB群はACE阻害薬やARB投与群(最初の30d HR 1.68,31-60dでHR 2.26,day61-90でHR 2.40),無関係な薬を処方された群(最初の30d 2.51,31-60dでHR 2.99,day61-90でHR 3.89)と比較してループ利尿薬を投与される割合が高かった。この関連性はわずかに減少するが90dから1年のフォローアップでも持続し,CCBをアムロジピンに限定しても同様だった。
結論と関連性:高血圧に対して新たにCCBを投与された高齢者はループ利尿薬を投与されやすい。CCBが広く使用されていることを考えると,害を及ぼす可能性のある不必要な薬物の処方を減らすためにこの処方カスケードに対する臨床医の意識を高めるための介入が必要である


ということで「CCB→浮腫」はみんなの知るところなのですが,それに対してループ利尿薬が処方されている可能性があるという研究でした。

ループ利尿薬は高齢者では特に転倒やAKIなどおこしやすいので...。。。