ある病院総合診療医の備忘録+α

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

【JC】救急外来で感情がケアにもたらす影響(BMJ Qual Saf. 2020 Jan 27;bmjqs-2019-010110)

救急外来で感情がケアにもたらす影響(BMJ Qual Saf. 2020 Jan 27;bmjqs-2019-010110)

 

Emotionally evocative patients in the emergency department: a mixed methods investigation of providers' reported emotions and implications for patient safety
BMJ Qual Saf. 2020 Jan 27;bmjqs-2019-010110

背景:救急外来の医師や看護師は感情を喚起する患者と頻繁に接しており,臨床的な意思決定や行動に影響がある可能性がある。社会心理学の確立された手法を導入し,患者との遭遇時に報告した感情的の経験と患者ケアに与える影響を調査した。

方法:救急の経験が豊富な医療従事者94人(医師50人,看護師44人),診療経験を思い出して書き出してもらった(質的データー)。怒り/苛立ち/憤りを感じた患者,幸福/満足感/感謝を感じた患者,精神疾患をもつ患者との経験を報告した。それぞれの診療での感情と協働を定量的に評価し,感情が臨床上の意思決定や行動に影響を与えるかどうか定性的に報告した。
結果:282例の報告があった。怒りを感じた症例と精神疾患をもつ患者との遭遇は陽性感情をもつ患者と比較して医療従事者の協働の低さに関連していた。医療従事者は自分の感情が臨床上の意思決定や行動に報告を与えていると報告したのは怒りを感じた患者で最も多く,次に精神疾患者,そして陽性感情をいだいた患者の順番だった。怒りを感じた患者や精神疾患患者の診療は患者安全のリスクに関する認識の増加と関連し、陽性患者をもつ患者はより質の高いケアと関連していた
結論:陽性感情も陰性感情も臨床意思決定に影響を与え,患者の安全性に影響を与える可能性がある。今回は以下の2点の必要性を強調している①感情が与える影響の認識の促進と影響を管理するための戦略の教育や訓練②感情によって誘発される患者安全のリスクを軽減するためのエビデンスに基づく介入をみつける包括的な研究課題。現在の研究は新しい介入を研究するための基礎になる。