ある病院総合診療医の備忘録+α

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【JC】胸痛患者に対する HEART Pathway Accelerated Diagnostic Protocol 戦略(Circulation. 2018 Nov 27;138(22):2456-2468)

胸痛患者に対する HEART Pathway Accelerated Diagnostic Protocol 戦略(Circulation. 2018 Nov 27;138(22):2456-2468)

 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30571347/
Safely Identifying Emergency Department Patients With Acute Chest Pain for Early Discharge
HEART Pathway Accelerated Diagnostic Protocol
Circulation. 2018 Nov 27;138(22):2456-2468

背景:


(病歴,心電図,年齢,危険因子,初期トロポニン)はストレス検査や血管造影検査を行わずに救急における低リスクの胸痛患者を早期帰宅させるための迅速診断プロトコルである。本研究の目的は,急性冠症候群の可能性のある救急患者において,HEART Pathwayの実施が安全であるか(低リスク患者では30日死亡率と心筋梗塞率が1%未満),効果的であるか(30日入院を減らす)を検討すること。
方法:ACSの可能性のある8474例(21才以上でSTEMIではない患者)を対象に3施設で前向きに前後比較調査を行った。前後比較試験は共に12ヶ月行った。HEART Pathway 迅速診断プロトコルは各施設の電子カルテに組み込まれ,救急医は前向きに低リスクと非低リスク(負荷試験や血管造影などの精査が適切)を判断した。主要な安全性と有効性のアウトカムは死亡,心筋梗塞(MI),30日後の入院率から決定した。
結果:Preには3713例,Postには4761例の患者が含まれた。全体の30.7%が低リスクで,そのうちの0.4%が30日以内に死亡またはMIを経験した。PreからPostで30日以内の入院は6%減少した(61.6%→55.6%),MIの検出は改善(5.7%→6.6%,OR 1.36),フォローアップ期間の死亡やMIは同等だった。

結論:HEART Pathwayの実施は,入院数の減少,MIの同定の増加に関連し低リスクの患者における死亡率とMIの割合は1%未満であった。これらの所見は、ストレス検査や血管造影を行わずに安全に退院できる低リスク患者を特定するためのHEART Pathwayの使用を支持するものである。

□HEART pathway

病歴:わずかに疑う 0 中等度疑う+1 強く疑う+2
ECG:正常 0 非特異的変化+1 ST低下+2
+1:LBBB,LVH, repolarization/再分極変化(ジゴキシン含む)
+2:「LBBB,ジゴキシン,LVH」は除外したST低下
年齢:45才未満 0 45-64才+1 65才以上+2

危険因子:1-2個 +1 3個以上 +2
※危険因子:HT,DLP,肥満,BMI>30,家族歴あり(親か兄弟姉妹の65才未満CVD),動脈硬化疾患(MIの既往,TIA,CVA,PAD)
初期トロポニン:正常 0 1-3倍 +1 3倍以上 +2

 

 

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