ある病院総合診療医の備忘録

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

【JC 流し読み】COPD+心血管疾患ではβ-blockerを

Association of beta-blocker use with survival and pulmonary function in patients with chronic obstructive pulmonary and cardiovascular disease: a systematic review and meta-analysis.
Eur Heart J. 2020 Nov 19. pii: 5992317. doi: 10.1093/eurheartj/ehaa793.

以前から色々なところで指摘がある、COPD+心血管疾患ではβ-blockerを、という話です

目的:心血管疾患とCOPDを持つ人に対するβ-blocker(BB)の呼吸機能や生存に及ぼす効果を明らかにすることと,心臓選択性の効果の違いの比較
方法と結果:PubMed, EMBASE, Cochrane Library, Web of Scienceの4つの電子データベースで関連文献を検索し、BBを服用している慢性閉塞性肺疾患患者とBBを服用していない患者との間で、さまざまな指標の違いを比較した。49 件の研究が含まれ,合計で 670594 人。12の無作為比較試験,37の観察研究が含まれた。COPDの急性増悪に対してBBの内服はHR 0.77,心臓選択性BBはHR 0.72,非心臓選択性BBは0.98。全死亡はBBの内服はHR 0.70,心臓選択性BBはHR 0.60,非心臓選択性BBは0.74。換気に関して有意差はなかった。

結論:COPD患者におけるBBの使用は安全なだけでなく全死亡や院内死亡を減らす。心選択性BBはCOPD-AEを減らす可能性があり,気管支拡張薬の作用に影響を洗えない。さらにBBは気管支拡張薬による心拍数上昇を抑える。BBはCOPDがあっても適応があれば処方されるべきである。