ある病院総合診療医の備忘録

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

【JC 流し読み】退院後に有害事象が起きそうな人の予測

Characteristics of Long-Term Care Residents That Predict Adverse Events after Hospitalization
J  Am Geriatr Soc. 2020 Aug 20. doi: 10.1111/jgs.16770

退院後に有害事象が起きそうな人の予測

長い入院期間,併存疾患の負担の増加,ADL の依存度の増加,およびポリファーマシーは有害事象(予防可能なもの含め)のリスクと最も強く関連したという結果

背景/目的:長期療養施設入所者は退院後に有害事象がよく発生する。有害事象の関連性と特性を測定することで有害事象のリスクを減らす戦略を知ることができる。
デザイン:前向きコホート研究
設定:ニューイングランドの6つの州,32の介護施設
参加者:555人,762回の退院
測定:
長期療養施設入所45日間に発生した有害事象,有害事象が予防可能かどうか,人口統計学的変数,並存疾患(Charlson Comorbidity Index),ADL(Minimum Data Set Long Form Scale),定期的の服用している薬の数(0-9, 10-13, 14-17, and ≥18).
結果:762の退院後,283の有害事象が発生(212は予防可能)。AEのリスクは入院が長い(9d以上 HR 1.58),並存疾患,18剤以上の内服(HR 1.53),ADL障害(HR 1.78)
結論:長い入院期間,併存疾患の負担の増加,ADL の依存度の増加,およびポリファーマシーは有害事象(予防可能なもの含め)のリスクと最も強く関連した。

 
まぁ確かにそうだよね納得、という結果
にしても18剤以上のポリファとは...
 
そして個人的に一番興味をもった予防可能な有害事象に関しての詳細はこの文献の中にはなく先行文献(JAMA Intern Med. 2019 Jul 22;179(9):1254-1261.)に行くことに...
(著者は同じAlok Kapoor先生す)