ある病院総合診療医の備忘録+α

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

【JC】カーネット徴候とClosed eye signの有用性は?(Am J Emerg Med. 2020 Dec;38(12):2759.e1-2759.e4.)

カーネット徴候の存在を知って全例ルーチンでとるようにしたら最初に陽性になったのが虫垂炎の症例だったのは一つの思い出です

腹痛のフィジカルは単一の情報に飛びつくのではなく,症例や状況によってどう使うか/解釈するか、が醍醐味なのかなと思っています

 
・腹壁疾患の可能性があれば一定の体動での誘発やCarnett徴候が有用。Carnett's Testは精神的な痛みと腹壁の痛みで陽性(OR 2.6-2.9)(Intern Med.2011;50:213-217)
・Closed eye sign:腹部触診時に目を閉じているときは心因的要素を考える。器質的疾患に対して感度7%特異度67% LR+ 0.2 (BMJ.1988;297(6652):837)
といわれています。果たして今回の研究では!?



Clinical Utility of Carnett and closed eye sign in emergency department
Am J Emerg Med. 2020 Dec;38(12):2759.e1-2759.e4.

目的:カーネット徴候(CAR)やCLosed eye sign(CE)は救急の腹痛診療において使われるフィジカル。一次アウトカムはCT所見、二次アウトカムは入院や外科的介入としてCARとCEの感度特異度を調べる。

方法:急性(48時間以内)の非外傷性,非術後の腹痛でCTが必要と判断された症例を登録し,CT前に身体所見を記録した
結果:320人が登録された。76.5%でCTで所見があった。CAR陽性は145人,CE陽性は187人だった。CARは入院に対して感度42.2%特異度38.9%,外科的介入に対して感度44.8%特異度43.1%、CEは入院に対して感度28%特異度51.6%、外科的介入に対して感度25.9%特異度55%。CARとCEでCT所見の頻度に差はなかった。
結論:CARもCEも救急外来で使用する場合感度も特異度も不十分。CT所見の頻度も所見の有無で変わらず。

Populationによっても結果は変わる、というのも踏まえての解釈が必要だとはおもいますが、これはこれで一つの結果ということで。