ある病院総合診療医の備忘録+α

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

【JC】無症候性の成人に対するVitDスクリーニングは不要(JAMA. 2021 Apr 13;325(14):1443-1463)

VitDスクリーニングに関するJAMAのreviewです(JAMA. 2021 Apr 13;325(14):1443-1463)

無症候性の人に対してはメリットがない、という結果。VitDスキーな自分としては身体機能,ADL,転倒などをアウトカムとして患者群を選んでやれば...とは思っているのですがこのへんはまだまだ結論がでないところでしょうか。。

 

Screening for Vitamin D Deficiency in Adults: Updated Evidence Report and Systematic Review for the US Preventive Services Task Force
JAMA. 2021 Apr 13;325(14):1443-1463

重要性:血中VitD低値は様々な有害な臨床転帰と関連しており,欠乏を特定して治療することで転帰を改善できる可能性がある。
目的:成人におけるビタミンD欠乏症のスクリーニングに関するエビデンスをレビューする。
データソース:2020/3/12までのPubMed, EMBASE, the Cochrane Library, and trial registries,2020/11/30まで撤回論文の検索,外部の専門家,文献のサーベイを行った
研究の選択:非妊娠成人を対象に実施された、25[OH]VitDによるスクリーニングありなしを比較したもの,あるいはVitD±Ca製剤による治療をプラセボと比較した質の良いRCT,副作用を対象とした非無作為対象介入研究,治療対象はVitDが低い患者を対象とした研究に限定した

データの抽出と統合:2人の査読者がタイトル,アブスト,フルテキストで評価しデーターを抽出し研究の質を評価した。類似した研究が3つ以上ある場合はメタアナリシスを行った。
メインの転機:死亡,骨折,転倒,糖尿病,心血管イベント,悪性腫瘍,うつ,身体機能,感染症
結果:
 
46の研究(16205人)が含まれた。スクリーニングの有用性や有害性を評価した研究はなかった。地域住民に対して治療は死亡,骨折,闘病病発症,心血管疾患の発症,悪性腫瘍の発症,うつの発症と関連がなかった。1回以上の転倒を経験した患者に関しては-4.3%(-11.6%から2.9%),身体機能に対する治療効果はエビデンスが混在,感染症に対する効果は限定的。尿管結石や有害事象の発生率は同等。
結論:VitD欠乏のスクリーニングの直接的なメリットとデメリットを評価した研究はなかった。無症候性のVitD欠乏の地域住民に対する治療は死亡,骨折,転倒,うつ,DM,心血管,悪性腫瘍の発症に影響しない。身体機能や感染症に対する治療の効果はわからない。