ある病院総合診療医の備忘録+α

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

【JC】痙攣 vs 失神 を見分ける病歴/Calgary Syncope Symptom Scoreの精度は?

痙攣 vs 失神 を見分ける病歴といえばCalgary Syncope Symptom Score(J Am Coll Cardiol. 2002;40(1):142-148)が有名です。これはどれくらい有用なのか?というのを調べてみました。
追加の検証研究だとちょっと微妙そうです。。
 
Historical criteria that distinguish syncope from seizures
Calgary Syncope Symptom Score
J Am Coll Cardiol. 2002;40(1):142-148
 
◇Table4の質問項目
 
・発作の後、咬舌に気付きいたか? +2
・発作の前に既視感、未視感があったか? +1
・感情的なストレスが発作に関与したか +1
・発作中に頭部が1方向に回旋したか +1
・発作中に異常姿勢または四肢の痙攣があった +1
・発作の後の混迷があった    +1
・これまでにめまい発作があった -2
・発作の前に発汗があった -2
・発作に関連した長時間の座位や立位 -2
 
点数が1点以上で感度94%、特異度94%でseizureという論文です
 
 
Diagnosing vasovagal syncope based on quantitative history-taking: validation of the Calgary Syncope Symptom Score
Eur Heart J. 2009 Dec;30(23):2888-96.
 
一過性意識消失(T-LOC)380人を対象とした前向き研究
約半数が50歳以上
CSSSは感度87%特異度32%
失神の人を間違えるのは心因性(特異度21%),心原性(特異度32%)でみられた
 
 
Calgary score and modified Calgary score in the differential diagnosis between neurally mediated syncope and epilepsy in children
Neurol Sci. 2017 Jan;38(1):143-149.
 
1回以上のT-LOCがありNMSかてんかんの診断となった201人の小児が対象
感度は91.5%特異度95.8%の精度をほこった
CSSSは小児の失神とてんかんの鑑別に有用な可能性がある
 
 
Usefulness of the Calgary Syncope Symptom Score for the diagnosis of vasovagal syncope in the elderly
Europace. 2013 Aug;15(8):1210-4.
 
60歳以上の失神で調査したところ感度51%特異度73%の精度しかなかった
特に軽度の心血管疾患の既往がある人では感度13%特異度70%しかみられなかった
 
まとめますと,CSSSは当初の論文では感度94%特異度94%だったが...小児を対象とした研究では有用そうだったが成人や高齢者対象の研究ではそこまでの精度ではない。
特に目撃者がいない場合は痙攣 vs 失神は難しいですね。