ある病院総合診療医の備忘録+α

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

【JC】プライマリ・ケアでの転倒介入/Negative study(Health Technol Assess. 2021 May;25(34):1-114)

ガチっぽいデザイン+大規模研究での転倒介入Negative studyなので個人的には残念でした。論文の量に悶絶しつつ流し読み(Discussion部分が個人的には最高でした).コストに関して一旦カットしてます。


Negative Studyではありますが...

Fall prevention interventions in primary care to reduce fractures and falls in people aged 70 years and over: the PreFIT three-arm cluster RCT
Health Technol Assess. 2021 May;25(34):1-114

目的: 転倒予防のための代替的な介入の臨床効果と費用対効果を調査
デザイン:経済分析を併用した3群間実用的クラスター無作為化対照試験。無作為化の単位は「診療所」
設定:プライマリ・ケア
患者:70歳以上
介入:
①すべての参加者にアドバイスリーフレットを郵送
②積極的介入群(運動)
③積極的介入(多因子転倒予防)
積極的介入に割り振られたクリニックは質問表を用いて参加者の転倒リスクをスクリーニングし,転倒リスクの高い参加者には積極的な治療が行われた。
主要アウトカム:病院の記録,クリニックの記録,自己申告での18mの骨折率。副次的アウトカムは転倒率,健康関連QOL,死亡率,フレイル,医療サービス資源利用。

結果:2011-2014年,63のCL,9803人が無作為に分けられた。
21のCL(3223人)が助言のみ
21のCL(3279人)が運動
21のCL(3301人)が多因子介入

積極的介入群では,6580人中5779人(87.8%)の参加者が郵便による転倒リスクスクリーナーに回答し,そのうち2153人(37.3%)が転倒リスクが高く治療介入が行われた。介入を受けた割合は,運動療法群では65%(1079人中697人),多因子による転倒予防群では71%(1074人中762人)であった


骨折は全体で3.9%で3群で有意差はなかった。
転倒は8ヶ月後は運動群で減少した(RR 0.78)が18ヶ月後には有意差はなかった。
死亡は有意差なし。
転倒リスクの高い人のサブグループ比較をITT解析しても介入の効果はなかった。
Limitationは骨折率の低さ
 
結論:プライマリ・ケアにおける転倒予防戦略は骨折を減少させなかった。運動は短期間では転倒の減少をもたらした。
 
ガチっぽいデザイン+かなりの人数でのNegative studyなので個人的には残念でした。Discussion内容が(一部理解できないのですが)非常に読み応え抜群でした。というか消化しきれませんでした。。
 
Fallは個人的には取り組みたい高齢者プロブレムの1つなので...日々updateですね。