ある病院総合診療医の備忘録

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

Clinical Frailty Scaleに関して


■Clinical Frailty Scaleに関して

・定義がわかりやすい
・臨床応用しやすい
と非常に使いやすいCFS

そして,CFSは様々な臨床転機と相関しているという報告(BMC Geriatr. 2020 Oct 7;20(1):393)もあります。高齢者医療に興味がある!!ってひとはCFSを意識してみると,よりおもしろいかもしれません😃


図と定義は以下のような感じです

 

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1.壮健(very fit):頑強で活動的であり,精力的で意欲的。一般に定期的に運動し,同世代の中では最も健康状態が良い
2.健常(well):疾患の活動的な症状は有していないが1に比べれば頑強ではない。運動の習慣を有している場合もあり,機会があればかなり活発に運動する場合も少なくない
3.健康管理しつつ元気な状態を維持(manageing well):医学的な問題はよく管理されているが,運動は習慣的なウォーキング程度で,それ以上の運動はあまりしない
4.脆弱(vulnerable):日常生活においては支援を要しないが,症状によって活動が制限されることがある。「動作が遅くなった」とか「日中に疲れやすい」などと訴えることが多い
5.軽度のフレイル(mildly frail):より明らかに動作が緩慢になり,IADLのうち難易度の高い動作(金銭管理,交通機関の利用,負担の重い家事,服薬管理)に支援を要する。典型的には次第に買い物,単独での外出,食事の準備や家事に支援を要するようになる
6.中等度のフレイル(moderately frail):屋外での活動全般および家事において支援を要する。階段の昇降が困難になり,入浴に介助を要する。行為に関して見守り程度の支援を要する場合もある。
7.重度のフレイル(severely frail):身体面であれ認知面であれ,生活面において介助を要する。しかし,身体状態は安定していて,半年以内の死亡リスクは高くない
8.非情に重度のフレイル(very severely frail):全介助であり,死期が近づいている。典型的には,軽度の疾患でも回復しない
9.疾患の終末期(terminally ill):死期が近づいている。生命予後は半年未満だが、それ以外では明らかにフレイルとはいえない。

https://www.dal.ca/sites/gmr/our-tools/clinical-frailty-scale.html
ここに色々のってます

CFSの妥当性は?というのを調べた今流行(?)のScoping reviewより

A scoping review of the Clinical Frailty Scale
BMC Geriatr. 2020 Oct 7;20(1):393

1688件のうち183件をInclusion

62%の研究が2015年以降の実施
63%の研究が入院患者でCFSを測定していた
 
CFSと臨床転機との関連は
併存疾患 73%
合併症 100%
入院期間 75%
転倒 71%
認知機能 94%
機能 91%
 
ほかのフレイルスコアとの相関も94%
 
ということでCFSは様々な臨床転機と相関しているという結果でした。心肺蘇生の予後予測...etc色々使われていますね😊
CFSは便利なので高齢者評価の一助にぜひぜひ