ある病院総合診療医の備忘録+α

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

SPPB(Short Physical Performance Battery)に関して②

Get up and go/Timed up and goは色々情報得られるのですが転倒に関するエビデンスという点では実はふわっとしています(J Am Geriatr Soc. 2013 Feb;61(2):202-8.BMC Geriatr. 2014 Feb 1;14:14.Age and Ageing 2008; 37: 442–448)

なので個人的にはSPPBのほうに注目しています
転倒に関連して追加で調べてみました

※以前にSPPB(Short Physical Performance Battery)に関して扱かった記事はこちら
https://generalistcwtg.hatenablog.com/entry/2019/04/05/180000



The Short Physical Performance Battery (SPPB): A Quick and Useful Tool for Fall Risk Stratification Among Older Primary Care Patients
J Am Med Dir Assoc. 2021 Aug;22(8):1646-1651.

・SPPB(Low score)と1年間の転倒リスク RR 3.03
・SPPB(Low score)と4年間の転倒リスク RR 1.53

Short-Physical Performance Battery (SPPB) score is associated with falls in older outpatients
Aging Clin Exp Res. 2019 Oct;31(10):1435-1442.

・SPPBはPOMAと比較して非劣性というという結果(論文のFig1が綺麗でした,POMAは16項目あって非常に煩雑です...)
・SPPBは転倒と関連
・SPPBの総得点が10点未満は転倒歴と有意に関連(OR 2.16, 95% CI 1.16-4.20, p = 0.02).

Association between Short Physical Performance Battery and falls in older people: the Progetto Veneto Anziani Study
Rejuvenation Res. 2014 Jun;17(3):276-84

・SPPBのスコアが0-6の人は10~12の人よりも転倒を繰り返す可能性が高い
→女性では OR 3.46 男性では OR 3.82
・SPPBのスコアが7-9の人は女性のみ点灯を繰り返す可能性が高い(OR 2.03)

□追加

・SPPBは臨床的な変化に対する感受性にも関連している(J Gerontol A Biol Sci Med Sci.2008;63:160–164)といわれている
→1点の変化でも臨床的に有意
→1年以内にSPPBの点が1点減った人はその後5年の死亡率が上昇した(J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2005 Jul;60(7):894-900.)

サルコペニアの診断に中等度の価値がある(AUC = 0.644-0.770)。SPPB 8点をカットオフとすると重症サルコペニアに対して感度82-100%特異度36-41%(BMC Geriatr. 2020 Jul 13;20(1):242.)

●まとめ

・SPPBは転倒リスクの評価の一貫として使っても良さそう
・SPPBは転倒以外にも様々臨床的な予後と関連している
・SPPBは1点の改善でも有意そう