ある病院総合診療医の備忘録+α

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

【JC】入院患者の血圧高値はどうするべき?(J Hosp Med. 2019 Mar;14(3):190-191.)

2019年のJHMのEditorialより(J Hosp Med. 2019 Mar;14(3):190-191.)

・医療者は無症候性の高血圧がすぐに進行して臓器障害を引き起こすのではないかという根拠のない不安を抱いている
・過剰治療による潜在的な有害性を理解していない

・血圧上昇をみたら下げるのではなく原因を考えよう

・病院の文化をかえることは容易ではないが必要なこと

 

 

すごく勉強になったので抜粋を共有させていただければと思います。

 

Treatment of Inpatient Asymptomatic Hypertension: Not a Call to Act but to Think
J Hosp Med. 2019 Mar;14(3):190-191.

 

静脈による降圧は急性臓器障害を伴う重症高血圧,つまり高血圧緊急事態のときのみ必要ですが頻度としては希である。にもかかわらず病棟管理する医師が無症候性高血圧に対して静注に寄る降圧をしているという報告がある。静注による降圧は不要な血圧低下ふくめリスクを伴い合併症の報告も有る。今回のJHMでは2つ病院における不適切な降圧を減らす質改善の報告があった(J Hosp Med. 2019 Mar;14(3):151-156.J Hosp Med. 2019 Mar;14(3):144-150)


Jacobsらによると、10カ月間に「無症候性高血圧」と診断された患者の11%が不適切な降圧剤の静注治療を受け、そのうち14%に有害事象が発生していた。
J Hosp Med. 2019 Mar;14(3):144-150

Pasikらによると、1,000患者日あたり8.3件の不適切な降圧剤の静脈注射が行われており、治療を受けた人の約半数が有害事象を経験していることがわかりました。
J Hosp Med. 2019 Mar;14(3):151-156.


主に医師や看護師が主要なステークホルダーとなる,Pasikらの研究では医師に連絡する前にアルゴリズムをつかって痛みや不安などの原因評価や臓器障害の評価をするようにした。
またJacobらは血圧の上演を160/80から180/90に変更した。

介入により降圧剤の静脈内投与が減り,有害事象も減少した。
Pasikらは高血圧でありながら降圧剤の静注を受けていない111人の患者グループを追跡調査し,有害事象がないことも確認した。


医療者が静脈注射による高圧を選ぶ背景は次の2つが考えられている(J Hosp Med.2018;13(12):860-862.)

1.医療者は無症候性の高血圧がすぐに進行して臓器障害を引き起こすのではないかという根拠のない不安を抱いている
2.医療者が過剰治療による潜在的な有害性を理解していない


病棟管理をする医師によっては血圧高値は,他のバイタルサインの異常とはことなり,疼痛,不安,薬剤性などの原因検索ではなく高値を修正するためのものと考えている。
今回の研究は高血圧と言われたら降圧するのではなく批判的に考える,という意味でも重要な研究であり,医師や看護師の協力にも焦点をあてている。
病院の文化をかえることは容易ではないが必要なことである。


などなどかかれており勉強になる内容でした。


さらに興味ある人は

Assess Before Rx: Reducing the Overtreatment of Asymptomatic Blood Pressure Elevation in the Inpatient Setting
J Hosp Med. 2019 Mar;14(3):151-156.

Assess Before Rx: Reducing the Overtreatment of Asymptomatic Blood Pressure Elevation in the Inpatient Setting
J Hosp Med. 2019 Mar;14(3):151-156.

の2つがおすすめです!!
どちらにしても後ろ向き研究ではありますが重要な研究だと思いました。