Association Between Physician Part-time Clinical Work and Patient Outcomes
(JAMA Intern Med. 2021 Nov 1;181(11):1461-1469.)
19170人のホスピタリストの分析で「1週間のうち臨床をしている日数が多い人のほうが30d死亡率が低い」という結果が発表されました(30d再入院は有意差なし)(PMID 34515730)。
これに対する「Invited Commentary」です。
一見納得する結果だが本当にそう?というコメントです。Refにアダム・スミスが出てきたのは驚きました。
著者の James 先生は
JAMA Intern Med. 2020 Feb 1;180(2):215-222.
で継続性があるHospitalistのほうが予後が良い(30d死亡率,再入院,自宅退院)という論文を出しています。
Outcomes of Care by Hospitalists: Do Their Schedules Matter?
(JAMA Intern Med. 2021 Nov 1;181(11):1469-1470)
我々は観察試験の結果が「理にかなっている」,つまり,自分の先入観を裏付けるような結果であればそれを受け入れる傾向がある
今回の文献はアダム・スミスからの専門性のコンテクストの流れになる
臨床に20%,管理に20%,教育に60%の労力を費やしているホスピタリストは患者のケアに90%の労力を費やしているホスピタリストほど専門的ではないので今回の結果のようになるかもしれない
しかし納得できない点が2つある
①死亡率は関連があったが再入院との関連はなかった
再入院は退院後の死亡より感度が高く質の高い指標のはず
②Hospitalistの勤務と死亡の関連は診察した数ではなく日数であったこと
診察をした患者では相関がなく,診察をした日に相関があった...というのは腑に落ちない。
可能性の1つとしてホスピタリストのスケジュールが多様性に飛んでいるのが関係しているのかもしれない。毎日8hで働くシフトもあれば24h,48hのシフトで働く医師もいる。今回の研究は24h,48hで勤務する医師も含まれていると思われる。総労働日数が少ないHospitalistは臨床以外もしている医師,パートタイム,他に副業...いろいろな人がいる。今回の結果はこれらの人全てに当てはめられるだろうか。