ある病院総合診療医の備忘録

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

【JC】転倒予防介入のメタアナリシス(J Am Geriatr Soc. 2021 Oct;69(10):2973-2984)

JAGSより転倒予防介入のメタアナリシス(J Am Geriatr Soc. 2021 Oct;69(10):2973-2984)

運動+αが有用という結論

 

 

Interventions for preventing falls and fall-related fractures in community-dwelling older adults: A systematic review and network meta-analysis
J Am Geriatr Soc. 2021 Oct;69(10):2973-2984

192件の研究を含むネットワークメタアナリシスの結果
65歳以上の地域住民が対象

□転倒者数
運動:RR 0.83(95%CI 0.77-0.89)
質の向上戦略(例:患者教育):RR 0.90 (95%CI 0.83-0.98)

□転倒率
運動:RR 0.79(95%CI 0.73-0.86)

転倒者数および転倒率の減少に有意に関連する複数の介入の共通要素は,運動,技術の支援,環境評価および修正,質の向上戦略,および基本的な転倒リスク評価(例:服薬レビュー)であった.

多因子介入は転倒率の減少(RR 0.87;95%CI 0.80-0.95)と関連していたが,転倒者数の減少(RR 0.95;95%CI 0.89-1.01)とは関連していなかった。

□転倒関連骨折数

基本的な転倒リスク評価:RR 0.60(95%CI 0.39-0.94)
運動:RR 0.62(95%CI 0.42-0.90)

□結論
Triccoら(JAMA. 2017;318(17):1687‐1699.)と同様にいくつかの単一および複数の転倒予防介入が転倒の減少と関連してことをしめした

 

Comparisons of Interventions for Preventing Falls in Older Adults: A Systematic Review and Meta-analysis(JAMA. 2017;318(17):1687‐1699.)

 

65歳以上の参加者を対象とした54のRCTのメタアナリシス

運動: OR 0.51 (95%CI 0.33-0.79)
運動+視力評価と治療:OR 0.17 (95% CI 0.07-0.38)
運動+視力評価+環境評価と修正:OR 0.30 (95%CI 0.13-0.70)
多因子評価(CGA)と治療,CaとVitD補充,CLの質の向上:OR 0.12 (95% CI 0.03-0.55)

運動単独および様々な介入の組み合わせは,通常のケアと比較して傷害性転倒のリスク低下と関連していた。転倒予防介入の選択は,患者と介護者の価値観と好みに依存する可能性がある。