POLSTは重症患者やフレイル患者の治療強度に影響するか?というシステマティックレビュー
ACPや終末期医療において選択肢にあがるPOLST、その効果に関してのレビューになります
The influence of POLST on treatment intensity at the end of life: A systematic review
J Am Geriatr Soc. 2021 Sep 22. doi: 10.1111/jgs.17447.
POLST(Physician Orders for Life-Sustaining Treatment)に関してのシステマティックレビュー
POLSTは広く普及しているが安全性や患者が望むケアの提供の改善に寄与するかは不明だった。重症患者やフレイル患者の治療強度に対するPOLSTの影響を系統的に判断するためのシステマティックレビュー
重症ないしフレイルで平均余命が1年未満の人が対象
主要アウトカムは死亡場所と高強度治療(死亡前30dないし90d以内の入院,死亡前30d以内のICU入室,最後の1wのケアの移行の数)
20件の観察研究,104554人の患者のうち27090人がPOLSTを行っていた
POLST利用者の55%は快適な措置のみの指示をうけていた
病院前設定ではほとんどの研究でPOLSTは院内死亡や高強度治療の減少と関連していた
急性期病院設定ではかなりの数の患者がPOLSTと一致しない治療を受けていた
全体的なエビデンスは中程度で一貫していた
結論として重症患者においてPOLSTがあると治療強度が低下する可能性があるという中等度のエビデンスが得られた。しかしPOLSTが意図しない結果をもたらす可能性も示唆された。POLSTのメリットを引き出し、リスクを抑えるための knowledge gapsがいくつか確認された。