ある病院総合診療医の備忘録

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

【JC】薬剤性高血圧の頻度とその影響(JAMA Intern Med. 2022 Jan 1;182(1):90-93.)

高血圧の要素でいままでNSAIDsやステロイド以外の薬剤を考えたことがなかったので...これは学びになりました。

 

Prevalence of Medications That May Raise Blood Pressure Among Adults With Hypertension in the United States
JAMA Intern Med. 2022 Jan 1;182(1):90-93.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34807229/

見逃されがちな血圧管理の障害として薬剤性の血圧上昇がある(Hypertension. 2018;71(6):e13-e115)ということ行われた調査

①まず血圧上昇の原因となりうる薬剤の使用頻度を測定した。

平均年齢 46.9,27599人が対象
49.2%で高血圧,35.4%でコントロールされていない高血圧があった
成人の14.9%,高血圧がある成人の18.5%で血圧上昇の原因となりうる薬剤の使用があった

高血圧がある人の中で
抗うつ薬 8.7%
NSAIDs 6.5%
ステロイド 1.9%
エストロゲン 1.7%
の割合で薬剤使用があった

②血圧を上昇させる可能性のある薬剤の使用は、降圧剤を服用していない成人ではコントロールされていない高血圧の高いオッズと関連していた(OR 1.24),降圧剤内服群では有意差はなかった

③血圧を上昇させる可能性のある薬剤の使用はコントロールされている高血圧の人(OR 1.38),コントロールされていない高血圧の人(OR 1.18)の両者で降圧剤の使用の多さと関連


Limitationとして
・薬剤の情報が自己申告
・薬剤の用法と用量は不明
OTC(血圧をあげうるNSAIDsや充血剤)の評価は行っていない

などがあげられているようです

薬物療法の最適化で血圧管理やポリファが解決するかもしれないという視点の結果で勉強になりました😊