ある病院総合診療医の備忘録

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

【JC】せん妄評価ツールとしての3D-CAMに関して

4-ATついでに以前から興味があった3D-CAMに関しても調べてみたところ...CAM-ICU vs 3D-CAMの研究や日本語版があることなど色々勉強になりました😊

 

①3D-CAM: derivation and validation of a 3-minute diagnostic interview for CAM-defined delirium: a cross-sectional diagnostic test study
Ann Intern Med. 2014 Oct 21;161(8):554-61.

201人が対象(平均84歳、認知症は21%)
3D-CAMの感度95%特異度94%
認知症(+)では感度96%特異度86%
認知症(-)では感度93%特異度96%

②Detection of Delirium in Hospitalized Older General Medicine Patients: A Comparison of the 3D-CAM and CAM-ICU
J Gen Intern Med. 2016 Mar;31(3):297-303.

75歳以上の入院中の一般内科患者。
3D-CAMは感度95%特異度90%以上
CAM-ICUは感度53%特異度90%以上
軽度のせん妄患者ではCAM-ICUは感度30%,3D-CAMは感度100%

ということで一般内科病棟ではCAM-ICUより優れており,3分でおわり,診断精度も高いという優れもののようです😊


その他の報告として重症度評価にも使える(J Am Geriatr Soc 2016;64: 1684–1689)という報告もあるようです


中国語での検証(BMC Psychiatry. 2020 Mar 24;20(1):133.)
フランス語での検証(Can J Anaesth. 2022 Mar 25. doi: 10.1007/s12630-022-02232-1. Online ahead of print.)

などがすすんでいるようです

CAM-ICUの日本語は

https://americandeliriumsociety.org/ags-cocare-cam-and-help-tools-3d-cam-includes-3d-cam-s-severity/

 
の「Japanese」で閲覧可能です
 
個人的に20(+2)も項目があるなんて...と最初は思っていたんですが、実際に見てみると質問する項目は「10個まで!!」で上記のページのTraining manualには実践時の注意点が書かれております😊
 
いままで日本語訳Versionの存在はしらなかったので、自分のPracticeを見直す良い勉強になりました😊