ある病院総合診療医の備忘録

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

院内の発熱時に関する指示簿の後ろ向き観察研究がPubmedに掲載されました

院内発熱時の指示簿の内容(Dr.callになっているかどうか)で、結果的に菌血症だった症例では、

 

発熱から1時間以内の血液培養採取率が違う(23% vs 67%)

血液培養採取までの時間が違う(1h vs 6.5h)

 

という単施設後ろ向き研究をPubmedに掲載いただきました😊


https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35811777/

 
Relationship Between the Use of Preprinted Physician Orders for Hospital-Acquired Fever and Time to Blood Culture Collection: A Single-Center Retrospective Cross-Sectional Study
Int J Gen Med. 2022 Jul 2;15:5929-5935.
 
院内発症の菌血症の症例を後ろ向きにみた研究なので色々限界はあります
Inclusionが「結果的に菌血症だった症例」なので、非菌血症症例は含まれていません
呼吸数データーがなかったので...そのへんの関連も調査できていないです
 
そもそも院内の発熱に対する知見自体があまりないのもありますし、指示簿の内容で血液培養採取までの時間が違うなんて当たり前じゃん、1時間という区切りはどうなんだ、考えもあるかと思いますが...色々こみで面白い結果かなと思っています
 
御指導いただいた小坂先生,弘重先生,和足先生ありがとうございました😊!!
 
 
★入院患者の発熱に興味あるかたは是非こちらの記事も御参照いただければ幸いです