ある病院総合診療医の備忘録

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

【JC】ニフェジピンはせん妄のリスク!?(JAMA. 2017;318(12):1161-1174)

JAMAのせん妄のレビュー(JAMA. 2017 Sep 26;318(12):1161-1174)を読んで驚いたことの1つに、ジヒドロピリジン系、が避けるべき薬剤のListにさりげなく記載があるのに、気付き少し、調べてみました

 
全然知らんかった。。。というか、マジですか!?と思って、TableのRefの2つの文献をみても探し方がだめなのか...検索機能をつかっても、ざっとみても見当たらず...
 
J Am Geriatr Soc. 2015;63(1):142-150.
J Am Coll Surg. 2015;220(2):136-148.
 
 
狐につつまれたような感じでPubmedで調べてみると少ないながらも文献はHIT
 

Nonpharmacologic and Medication Minimization Strategies for the Prevention and Treatment of ICU Delirium: A Narrative Review
J Intensive Care Med. 2019 Mar;34(3):183-190.
 
Many common medication classes can cause or exacerbate delirium in ICU patients. The top 5 categories of medications include sedative–hypnotics, opioids, dihydropyridines, anticholinergics, and antihistamines.(Age Ageing. 2011;40(1):23-29.)
 
という記載
 
Which medications to avoid in people at risk of delirium: a systematic review
Age Ageing. 2011 Jan;40(1):23-9.
 
オピオイド OR 2.5(95%CI 1.2-5.2)
ベンゾジアゼピン OR 3.0(95%CI 1.3-6.8)
ジヒドロピリジン OR 2.4(95%CI 1.0-5.8)
ヒスタミン OR 1.8(95%CI 0.7-4.5)
 
でせん妄のリスクだよという記載
 
Age Ageing. 2011 Jan;40(1):23-9
ここのジヒドロピリジン系に関するRefは1つのみで
 
Incidence of and preoperative predictors for delirium after cardiac surgery
J Psychosom Res. 1999 May;46(5):479-83.
 
でした。
 
これをみるとニフェジピンが多変量解析の結果心臓血管外科の術後せん妄のリスク OR 2.4(95%CI 1.0-5.8)という記載でした
 
なぜニフェジピンを多変量解析の因子に?、と思ってみたところ、 Univariate screening 、で組み込まれたような感じでした
 
ということで糸はつながりました。。。
研究が行われたのは1999年ですし、 Univariate screening に関しての言及はここでは割愛させていただきます。
 
もともと臓器保護作用に乏しい降圧剤のCCBはあまり好きではないのですが...
 
明日からのPracticeをどうするか、は悩みものです