Risk of Intestinal Necrosis With Sodium Polystyrene Sulfonate: A Systematic Review and Meta-analysis
J Hosp Med. 2021 Aug;16(8):489-494.
高K血症に使う薬の1つ,Sodium Polystyrene Sulfonate(SPS)/ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(商品名:ケイキサレート)はポリマーの吸着薬になります。ポリマー性の吸着薬では膨張による便秘,腹痛,腹部膨満感など消化器系の副作用のリスクがあります。
という背景からのSPSの安全性に関するSystematic review&Meta-analysis
6件のレビューによる腸管壊死のORは1.43(95%CI, 0.39-5.20)と有意差はでない
2件のレビューによる重度の消化器系の有害事象の複合転帰だとHR 1.46(95%CI, 1.01-2.11)
交絡因子や報告に寄るバイアスもふくめるとSPSによる消化管壊死や重度の消化器の有害事象に関してのエビデンスレベルは低い
という結論
なお,よく使われているイメージのある(?)はアーガメイトやカリメートはポリスチレンスルホン酸カルシウムになり,ケイキサレート同様にポリマー性の吸着薬です。Calcium polystyrene sulfonate(CPS)はアメリカで使用不可なのもあってか文献はあまりないようですが...調べてみると消化管穿孔や腸管壊死の報告(Acta Gastroenterol Belg. Oct-Dec 2019;82(4):542-543)や便秘患者に対するCPS投与での消化管穿孔(Case Rep Med. 2013;2013:102614.)の報告はあるので副作用はポリスチレンスルホン酸ナトリウムと似ているのかもしれません。
なお、新薬のジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム(商品名:ロケルマ)投与は非ポリマーの吸着薬で消化管内で膨張することがない...とのことでこの辺の副作用のリスクは低そうです
Systematic Review and Meta-Analysis of Patiromer and Sodium Zirconium Cyclosilicate: A New Armamentarium for the Treatment of Hyperkalemia
Pharmacotherapy. 2017 Apr;37(4):401-411
の報告によると48時間後にKは-0.67mEq/L低下,副作用は 尿路感染症1.1% 浮腫 0.9%とのことでした。
なお,よく使われているイメージのある(?)はアーガメイトやカリメートはポリスチレンスルホン酸カルシウムになり,ケイキサレート同様にポリマー性の吸着薬です。Calcium polystyrene sulfonate(CPS)はアメリカで使用不可なのもあってか文献はあまりないようですが...調べてみると消化管穿孔や腸管壊死の報告(Acta Gastroenterol Belg. Oct-Dec 2019;82(4):542-543)や便秘患者に対するCPS投与での消化管穿孔(Case Rep Med. 2013;2013:102614.)の報告はあるので副作用はポリスチレンスルホン酸ナトリウムと似ているのかもしれません。
なお、新薬のジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム(商品名:ロケルマ)投与は非ポリマーの吸着薬で消化管内で膨張することがない...とのことでこの辺の副作用のリスクは低そうです
Systematic Review and Meta-Analysis of Patiromer and Sodium Zirconium Cyclosilicate: A New Armamentarium for the Treatment of Hyperkalemia
Pharmacotherapy. 2017 Apr;37(4):401-411
の報告によると48時間後にKは-0.67mEq/L低下,副作用は 尿路感染症1.1% 浮腫 0.9%とのことでした。