ある病院総合診療医の備忘録

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

サルコペニア AWGSガイドライン(J Am Med Dir Assoc .2020;21:300-307.e2)

サルコペニア AWGSのガイドラインがupdateされていたことを最近しりましたということで流し読み より多くの医療者/患者群に適応になりように変化があり、評価にSPPBが組み込まれているのが個人的には好きですAsian Working Group for Sarcopenia: 2019 Conse…

【JC】イギリスのプライマリ・ケア領域の診断エラーの測定研究

イギリスのプライマリ・ケア領域の診断エラーの測定研究(BMJ Qual Saf. 2021 Jun 14;bmjqs-2020-012594.) 診断機会の損失は4.3%で発生,37.1%で中等度以上の害をもたらしていた プロセスでの主な要因は診察,検査の実施と解釈,フォローアップ関連が多く,72%は2…

【JC:降圧剤で転倒するのか②】

■降圧剤で転倒するのか② SPRINT研究以外にも色々調べてみると...研究によって差があり systematic review and meta-analysisだと有意差なしの結果 「健康な高齢者」なのか「機能障害がある高齢者」なのか,起立性低血圧があるのかないか...このへんはなかなか…

【JC:降圧剤で転倒するのか①】

JC:降圧剤で転倒するのか① 降圧の歴史を変えたSPRINTstudyの関連文献で高齢者の降圧で転倒を増えるか調べてみました SPRINTstudyに組み込まれるような(高リスクの)健康な高齢者では降圧による転倒リスクで有意差は出ない、という結果 (関連文献の多さにも驚…

Clinical Frailty Scaleに関して

■Clinical Frailty Scaleに関して・定義がわかりやすい・臨床応用しやすいと非常に使いやすいCFS そして,CFSは様々な臨床転機と相関しているという報告(BMC Geriatr. 2020 Oct 7;20(1):393)もあります。高齢者医療に興味がある!!ってひとはCFSを意識してみる…

【JC】フレイル患者における降圧(Circ Res. 2019 Mar 29;124(7):1045-1060.)

フレイル患者における降圧はどうするかCirc Res. 2019 Mar 29;124(7):1045-1060.レビューからの抜粋・健康な高齢者を対象とした臨床研究では80歳以上でも降圧のメリットが示されている・しかし、超高齢者では機能的不均一性が非常に大きいため、一律の治療戦…

【JC】高齢者の血圧管理に関して(終末期の変化,降圧剤中止後の変化)

高齢者の血圧管理に関して 1.血圧は死亡14-18年前にピークを迎え徐々に減る(JAMA Intern Med. 2018 Jan 1;178(1):93-99.) 2.2剤以上併用の高齢者で降圧剤中止してもあまり変化はない(JAMA. 2020 May 26;323(20):2039-2051.) Blood Pressure Trajectories in …

上半規管裂隙症候群

末梢性めまいの鑑別の1つとしての「上半規管裂隙症候群」 Tulio現象(眼振やめまいが音で誘発される)が陽性の人の慢性めまいの人を診る機会があったので振り返り/知識再確認に ■ SUPERIOR CANAL DESHISCENCE SYNDROME/SCDS/J Clin Neurosci 2018; 48:58–65 上…

前庭てんかん

続:持続1分以内のめまいの鑑別シリーズ 特に数秒間だけ持続するめまいの鑑別に上がる「前庭てんかん」...ちょっと調べてみました。 Epilepsy and the cortical vestibular system: tales of dizziness and recent conceptsFront Integr Neurosci. 2013 Nov 1…

稀な末梢性めまいとしての前庭発作症

持続時間1分未満のめまいの鑑別を考えるか?というディスカッションで非常勤先で一緒に内科外来しているスーパー後期研修医の先生に教えていただきました 三叉神経痛のⅧ Versionみたいなイメージがわかりやすいかもしれません。 ●前庭発作症 Vestibular paro…