ある病院総合診療医の備忘録+α

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

【JC】Convulsive syncope(痙攣性失神?)とは!?

Convulsive syncopeとは!?(正式な和名がわかりませんでした...)多いのは迷走神経反射に伴ってですが...失神をきたすような脳血流低下状態で痙攣が起きうることを知っておくことは大事です。 でないと「迷走神経反射で失神する→倒れる前に誰かが支える→痙攣」…

【JC】痙攣 vs 失神 を見分ける病歴/Calgary Syncope Symptom Scoreの精度は?

痙攣 vs 失神 を見分ける病歴といえばCalgary Syncope Symptom Score(J Am Coll Cardiol. 2002;40(1):142-148)が有名です。これはどれくらい有用なのか?というのを調べてみました。 追加の検証研究だとちょっと微妙そうです。。 Historical criteria that d…

執筆報告:総合診療の「High yieldな症候学」

楽しみにしていた総合診療の「High yieldな症候学」ようやく読破しました!!https://www.amazon.co.jp/dp/B095GS5G12/知らないものももちろん、名前は知っているけど詳しくはしらない(+そしてそこが知りたかった)、という項目があり学びになりました自分は「H…

【JC】難聴に関して/備忘録(J Am Geriatr Soc. 2021 May;69(5):1190-1198)

個人的にはPreventable Dementia (Lancet 2020; 396: 413–46)は主に・心血管リスク系(高血圧,喫煙,肥満,運動不足,糖尿病)・政策系(大気汚染,教育)・その他(社会的孤立,難聴,外傷性脳損傷,アルコール多飲)に分かれていると思っています。難聴→認知症、に関し…

【JC】救急外来における甲状腺機能疾患とエラー(Am J Emerg Med. 2010 Oct;28(8):866-70)

救急外来で甲状腺機能低下症が診断されるのは21%という報告 入院症例が対象の研究なので、全体で考えると...もっと違うのかもしれません。呼吸苦や胸部締め付け感で救急外来受診となると,どうしてもKiller diseaseの除外の優先度が高くなりますし...そもそも…

【JC】HFNCのレビュー(Ann Intern Med. 2021 Apr 27. doi: 10.7326/M20-4675.)

HFNCはNIVと比較して初期の急性呼吸不全の管理において全死亡,挿管,院内肺炎を減少させ患者の快適性を向上させる可能性があり,抜管も従来の酸素投与と比較して再挿管を減らし,患者の快適性を向上させる可能性がある、というACPからのレビュー。 HFNCは文献が…

【JC】脳卒中後の発熱に関して

脳卒中後の発熱/微熱って中枢性なのか感染症なのか、ふくめ結構悩みどころだと思っています。過去に調べてうまくいかなかったのですが、リベンジしてみました。いくつかの探索的検索でひっかかった文献の抜粋になります □脳卒中による発熱に関して個人的なま…

DiagnosisのLetterにアクセプトいただきました

日本で「診断エラー」の普及を阻む要素とは!? 第22回病院総合診療医学会の診断エラーWGで行ったケースレポートWSメンバーであつまった際に話題になったテーマ「日本で「診断エラー」の普及を阻む要素とは!?」に関して、オンラインでKJ法を行いRoot Cause Ana…

【JC】前庭性片頭痛に関して

□前庭性片頭痛に関してmigraine-associated vertigo ではなく vestibular migraineのほうが主流っぽいということを先日後輩から学びました個人的には末梢性めまいの頻度はBPPV>前庭神経炎>前庭性片頭痛と思っているので、それなりに重要だと思っていますと…

【JGFMにLetter掲載】Changes in influenza vaccination coverage associated during the COVID-19 pandemic in Japan

Changes in influenza vaccination coverage associated during the COVID-19 pandemic in Japan https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/jgf2.462医療機関負担軽減のために2020/21シーズンに呼びかけられていたFluワクチン接種,はたしてその結果…

【JC】急性呼吸困難に対するPOCUSは診断精度改善 Ann Intern Med. 2021 Apr 27

急性呼吸困難に対するPOCUSは診断精度改善 Ann Intern Med. 2021 Apr 27 USを臨床現場でもっと使おう、には賛成ですが、どう使うべきかや「臨床での判断に影響するか」を検証するのはすごく大事です。(USを不要に追加したりしていないかの検証も)。この研究…

【JC】ALS関連で,診断遅延を短くするには?(Neurol Res Int. 2020 May 11;2020:1473981.)

前回にひきつづきALS関連で,診断遅延を短くするには?(Neurol Res Int. 2020 May 11;2020:1473981.)の内容です。 ALSの症状4パターンの把握とRed flag「進行性の構音/嚥下障害」「(特に左右非対称性の)進行性の局所の筋萎縮」 の早期認知がやはり鍵なのと、…

【JC】ALSの診断までの時間と初回診察に関連する因子(J Neurol Sci. 2020 Oct 15;417:117054.)

ALSの診断までの時間と初回診察に関連する因子(J Neurol Sci. 2020 Oct 15;417:117054.)の抜粋になります。 多く診たわけではないですし、これが鑑別に上がる/鑑別の片隅にのこるときはじわりとくる感覚を覚えます。。診断までのプロセスも、可能性が高いと…

【JC】転倒で介入可能な原因が見逃されている(Ann Emerg Med. 2020 Dec;76(6):730-738.)

転倒ガチ勢によるガチ評価というところでしょうか。転倒で介入可能な原因が見逃されているという研究。頻度が高すぎる!?など色々思うところはある結果ですが,「視力評価の視点は大事」「FRID(fall-risk-increasing drug)への介入はER側だと難しい」とも思い…

【JC】フレイルの表現型基準すべて該当するとPoint of no returnかも?(J Am Geriatr Soc. 2021 Apr;69(4):908-915)

フレイルの表現型基準すべて該当するとPoint of no returnかも?(J Am Geriatr Soc. 2021 Apr;69(4):908-915) 個人的には激熱論文でした。フレイルは表現型モデルのほうが臨床的には使いやすいです。3-4個であればリターンできる可能性があり,5個すべて該当に…

【JC】難聴や難聴+視力障害は認知機能低下リスク(J Am Geriatr Soc. 2021 Mar;69(3):644-650.)

難聴や難聴+視力障害は認知機能低下リスクという論文です。難聴自体が認知機能低下リスクですが、視力障害もくわわると上乗せされるかも?という話でした。(なお、視力障害単体では有意差なし) Longitudinal Association Between Hearing Loss, Vision Loss,…

WGの活動報告が病院総合診療医学会和文誌「特別寄稿」にアクセプト

勝手にロールモデルにさせていただいている森川先生を見習い、自分の所属しているWGの活動を残す、という作業に取り組んだ結果... 『診断エラーワーキンググループの活動報告および診断エラーの歴史と文化に関する考察』の内容を病院総合診療医学会和文誌「…

JGFMのLetterにアクセプトをいただきました

スタッフの渡邊先生が「医療機関負担軽減もふくめ2020/21シーズンにFluワクチン接種が呼びかけられていたが,接種率は変化するか?」を検証した単施設アンケート研究をJGFMのLetterに提出させていただいたところ無事アクセプトをいただきました!!対応もはやく…

【JC】介護者の評価はどのようにするべきか(J Am Geriatr Soc. 2020;68:1262-1270.)

介護者の評価はどのようにするべきかというインタビューの論文です。標準化された介護者評価が良いことにはみな賛同しているが,障壁は色々...という結果です(フレイルのJ-CHSのような簡潔かつ妥当性のある評価が理想ですよね)。 Caregiver Needs Assessment …

【JC】PC医による介護者のニーズやリスクの評価 に関してJ Am Geriatr Soc. 2021 Feb;69(2):432-440.

介護者のニーズやリスクは多様で、構造化した評価はされていないという報告でした。ぱっと思いつくのがZaritですが...Resultの内容には納得です。そうはいっても非構造化の評価が悪いかどうかは評価が必要だと思います。 (診断学的にもSystem1 vs 2は特に変…

【JC】蜂窩織炎の診断困難さのレビュー(Br J Dermatol. 2019 May;180(5):993-1000)

著者がPC医という点でも痺れる蜂窩織炎の診断の難しさを扱ったScoping reviewです(Br J Dermatol. 2019 May;180(5):993-1000) □個人的なまとめ ・薬剤や化粧品使用歴の聴取は大事 ・「抗菌薬不応性」「両側性」の蜂窩織炎は診断見直そう(というか違う) ・症…

【JC】救急外来での蜂窩織炎の診断の正診率は7割程度(JAMA Dermatol. 2017 Feb 1;153(2):141-146)

救急外来での蜂窩織炎の診断の正診率は7割程度(JAMA Dermatol. 2017 Feb 1;153(2):141-146) 診断も大事ですが,それだけじゃなくて原因検索,治療,再発予防...などなど蜂窩織炎は結構難しい/奥が深い疾患と思っています。 Costs and Consequences Associated W…

小脳梗塞の診断エラーに関して(私見こみ)

小脳梗塞はシンプルな小脳梗塞,椎骨動脈解離→延髄外側+小脳梗塞,(散発含む)小脳+他の病変にも梗塞があるなど複数パターンが混在するのと,椎骨動脈解離はこれはこれで難しいので...考えれば考えるほどごちゃごちゃになるのですが... シンプルに ・椎骨動脈解…

【JC】POCNESの特徴を抑える(J Pain Res. 2019 Feb 19;12:715-723)

LACNESに続いてPOCNESに関して ●POCNESに関してのまとめ(J Pain Res. 2019 Feb 19;12:715-723.)・ACNES様の痛みが傍脊椎3-5cm以内の分布にある(ほとんどがTh11と12)・圧痛部位は狭く,感覚異常を伴い,Pinch signは86%で陽性・鑑別診断は神経根性疼痛,脊椎関節…

【JC】LACNESの特徴を抑える(Scand J Pain. 2017 Oct;17:211-217)

島根の和足先生の報告(BMJ Case Rep. 2021 Feb 26;14(2):e241421)千葉の石塚先生の報告(Am J Medに掲載予定)と日本からLACNESの報告が2021年に相次いでいるのできっとunderdiagnosisな人もいるのではないかと妄想しております(自分もACNESは前だよね...うー…

【JC】無症候性の成人に対するVitDスクリーニングは不要(JAMA. 2021 Apr 13;325(14):1443-1463)

VitDスクリーニングに関するJAMAのreviewです(JAMA. 2021 Apr 13;325(14):1443-1463) 無症候性の人に対してはメリットがない、という結果。VitDスキーな自分としては身体機能,ADL,転倒などをアウトカムとして患者群を選んでやれば...とは思っているのですが…

【JC】認知症の患者に非定型抗精神病薬を使用すると認知機能低下と関連(J Am Geriatr Soc. 2021 Apr;69(4):955-963.)

アルツハイマー型認知症の患者に非定型抗精神病薬を使用すると認知機能低下(MMSE 0.9点低下)と関連という報告(J Am Geriatr Soc. 2021 Apr;69(4):955-963.) また認知症のNPI‐Q/行動心理症状を改善する薬剤もありませんでした。 Psychotropic Medication and …

【JC】高齢者でNSAIDsが必ずしも有害とは限らない!?(J Am Geriatr Soc. 2021 Mar;69(3):726-734)

高齢者医療においてNSAIDsは須く悪い、というのも極端な気もしますし、こういう検証は大事だと思います 暴露が自己申告というのが気にはなりますが。。Association of Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs with Kidney Health in Ambulatory Older Adults…

【執筆】「診断エラー学のすすめ」が発刊しました

「診断エラー学のすすめ」が本日発刊になりました!!「診断エラー」は外来で5%,院内有害事象の6-17%,院内死亡の10%とすごく身近ははずなのに軽視されがちな領域です。しかし,患者安全の領域では最大のTOPICであり,頻度は前述の通りコモンです。診断エラーの存…

【JC 流し読み】病歴聴取の中断に関して②(Time to Listen More and Talk Less J Gen Intern Med. 2019 Jan;34(1):1-2.)

Eliciting the Patient’s Agenda- Secondary Analysis of Recorded Clinical Encounters(J Gen Intern Med. 2019 Jan; 34(1): 36–40.)が掲載されたJGIMの号のEditorialです 病歴聴取に関してすごく勉強になりました (中断の意味に関してはTriple Eや効果的な…