そして、AIMのシステマティックレビュー(Ann Intern Med. 2021;174:58-68)では降圧剤と起立性低血圧に関連はない、むしろ降圧が大事という結論。しかしこの論文の起立性低血圧の判定は座位→立位プロトコルで行っている。
ということでもやもや。。
Effects of Intensive Blood Pressure Treatment on Orthostatic Hypotension : A Systematic Review and Individual Participant-based Meta-analysis
Ann Intern Med. 2021;174:58-68
AIMで出た降圧剤と起立性低血圧に関してのシステマティックレビュー&メタアナリシス
集中的な血圧低下治療により、OHのリスクはむしろ減少する。なので、起立性低血圧は、高血圧の治療を避けたり中止したりする理由と見なすべきではない。
という結論
(深く読み込んだわけでもないですが)うーん。。。と思っていた研究内容で...ちょっと解釈を保留にしていたんですが、最近納得がいきました。
・この研究は実は5つの研究のメタアナリシス。有名なACCORD,SPRINTが組み込まれていてPopulationの大半がSPRINT研究の人です。
・なのでここに組み込まれている高齢者はSPRINT研究の基準に該当する元気な高齢者と考えられます
・サブ解析では75歳以上や高血圧,CKD,脳卒中,糖尿病,心血管疾患などは解析されていますが、身体機能やフレイルなどは考慮されていない
またLimitationを参照すると
・OHの評価は座位→立位のプロトコルでやっている
・転倒や失神など症状の情報はなく、あくまでOHの解析である
という記載がありました。
AIMのシステマティックレビューでも...ということで、なかなか論文の解釈って難しいな、というのと、実臨床の実感とミスマッチを感じる論文はしっかり吟味をする必要があるのだと改めて再認識しました。。。
降圧剤と転倒に関して興味ある人は是非こちらもご参照ください