既往脳卒中...というとどうしても身体機能面のほうに目がいきがちになってしまうのでこういう視点は大事だと再認識した論文でした😊
脳卒中後のリハビリがうまくのらない人で低活動型せん妄とうつの鑑別は病棟管理では結構大事かなというのと、別の視点にはなりますがこういうのをカバーする上でも高齢者総合機能評価/CGAは大事かなとか密かに思ってます😊
今回の文献の前の背景論文の1つ
Comparison of Treatment Rates of Depression After Stroke Versus Myocardial Infarction: A Systematic Review and Meta-Analysis of Observational Data
Psychosom Med. 2018 Oct;80(8):754-763.
システマティックレビュー&メタアナ
脳梗塞後のうつの発症率は34%
心筋梗塞後のうつの発症は24%
心理社会的介入に関しては10%以下だった
Trends in Outpatient Treatment for Depression in Survivors of Stroke in the United States, 2004–2017
Neurology. 2022 May 31; 98(22): e2258–e2267.
Introより
・うつの併存は脳卒中の回復を妨げ、死亡リスクを増加させる
・既存のエビデンスはヨーロッパや西太平洋地域で実施されていて米国では近年の変化も含めてわかっていない
・そのため、2004年から2017年までの米国の脳卒中生存者のデータを用いて調査した
■Result(抜粋)
脳卒中生存者においてうつの治療(薬物・非薬物)をうけた割合の報告は2005年の17.7%から2016年の16.0%と有意な変化はなかった
PHQ-2のスクリーニング施行率は95.5%で陽性と判定される割合も変わりなかった。
PHQ-2でうつ病スクリーニング陽性と判定された患者のうち64%が1年治療をされていなかった
ということで米国での研究ではありますが、脳卒中の患者でうつの治療がされていない傾向はこの10年であまりかわっていない、ということでした。
PHQ-2のスクリーニング率すげぇ...とおもいつつ、自分のこれまでの症例でも漏らしていた症例がきっとあったのではないかと振り返り中です。。
脳卒中後のリハビリがうまくのらない人で低活動型せん妄とうつの鑑別は病棟管理では結構大事かなというのと、別の視点にはなりますがこういうのをカバーする上でも高齢者総合機能評価/CGAは大事かなとか密かに思ってます😊