ある病院総合診療医の備忘録

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

【JC】シロスタゾールによるめまい

シロスタゾールでめまいが生じるか、生じるならどれくらいの頻度か、を調べてでてきた文献

 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34192807/

PADによる間欠性跛行を対象としたシロスタゾールのメタアナ
(脊柱菅狭窄症に対するシロスタゾールではないです)

 

跛行出現距離 26.49m (low-certainty evidence).
QoLの改善は得られる可能性がある(very-low certainty evidence)
最大歩行距離 39.57m (low-certainty evidence).

なのでPADによる間欠性跛行には良いのではないかという報告

 

その研究で最もよく報告された有害事象は、頭痛、下痢、便の異常、めまい、痛み、動悸。

 

50mg 1日2回,100mg 1日2回 両方込みで抜粋すると

 

頭痛 プラセボ 119/1128 シロスタゾール 380/1456 OR 2.83(2.26-3.55)
下痢 プラセボ 62/1101 シロスタゾール 190/1402 OR 2.73(2.02-3.70)
めまい プラセボ 20/471 シロスタゾール 63/649 OR 2.42(1.43-4.08)
疼痛 プラセボ 92/724 シロスタゾール 81/716 OR 0.96(0.71-1.30)
動悸 プラセボ 12/758 シロスタゾール 94/923 OR 7.16(3.95-12.98)

 

報告が少なく血行再建、切断または心血管イベントについての結論は不明
(ペントキシフィリンに関してはここでは省略しています)

 

ということで...

 

シロスタゾールの副作用として頭痛や動悸は有名ですが,シロスタゾール投与群において頻度は少ないようですが,有意に下痢やめまいもきたしうるというのは抑えて良いかなと思いました😊