ある病院総合診療医の備忘録

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

【JC 流し読み】入院中に判明する診断エラー(BMJ Qual Saf. 2020 Dec;29(12):1008-1018.)

Prevalence of harmful diagnostic errors in hospitalised adults: a systematic review and meta-analysis
BMJ Qual Saf. 2020 Dec;29(12):1008-1018.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32269070/

入院中に判明した診断エラー(診断エラーが入院中に明らかになった場合には、診断エラーが実際に発生した時期に関係なく研究を含めた)

22の研究,80026人の患者
有害な診断エラーは760例あった(0.7%)
136例の内訳は
15例 悪性腫瘍(5例 大腸癌)
11例 肺塞栓
5例 大動脈瘤
5例 うっ血性心不全
5例 尿路感染症
5例 消化管穿孔
4例 敗血症
3例 腸閉塞
3例 虫垂炎
3例 中枢神経疾患(SAH,硬膜下血腫,転移性腫瘍)
3例 骨折
2例 急性冠症候群
2例 アルコール使用障害
2例 せん妄

という結果でした。
Inclusionの条件が「診断エラーが入院中に明らかになった場合には、診断エラーが実際に発生した時期に関係なく研究を含めた」なので色々な解釈ができる研究ではあるのですが,やはりBIG3(血管,腫瘍,感染)が多いかなと。