ある病院総合診療医の備忘録+α

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

【JC 流し読み】診断エラーBIG3×TOP5のエラー率と害の発生率 Diagnosis (Berl). 2020 May 14;8(1):67-84.

診断エラーのBIG3:血管,腫瘍,感染
これらの疫学に関して新しい文献が出ました

先行文献の訴訟データーベースのBIG3はこちらになります
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31535832/
Serious misdiagnosis-related harms in malpractice claims: The "Big Three" - vascular events, infections, and cancers
Diagnosis (Berl). 2019 Aug 27;6(3):227-240



Rate of diagnostic errors and serious misdiagnosis-related harms for major vascular events, infections, and cancers: toward a national incidence estimate using the "Big Three"
Diagnosis (Berl). 2020 May 14;8(1):67-84.

BIG3:血管,腫瘍,感染のTOP5の診断エラーの割合とそれにより患者さんに害が生じている割合を調べた研究になります
15疾患に対して91755人,28件の研究を調べた結果
エラー率/エラーにより害が生じている率

□血管疾患
血管大動脈瘤と大動脈解離:27.9%/17.0%
動脈血栓症:23.9%/12.5%
静脈血栓症:19.9%/10.4%
脳卒中:8.7%/4.8%
心筋梗塞:2.2%/1.2%

感染症
化膿性脊椎炎:62.1%/36.0%
髄膜炎脳炎:25.6%/14.4%
感染性心内膜炎:25.5%/13.5%
敗血症:9.5%/5.5%
肺炎:47.8%/4.5%

□悪性腫瘍
肺癌:22.5%/13.9%
悪性黒色腫:13.6%/5.6%
大腸癌:9.6%/5.5%
乳癌:8.9%/4.4%
前立腺癌:2.4%/1.2%

Big threeのTOP5のみ 9.7%/5.2%
Big three(TOP5+その他) 9.6%/3.8%


Introductionを読むだけで,これまでの疫学の情報が記載されておりすごく勉強になりました

結論としては
BIG3(悪性腫瘍,血管,感染症)のTOP5,15疾患で約1割で診断エラーが生じ,その半数で死亡や障害が生じている
・診断の誤りと害の割合は疾患によって大きく異なる

という報告でした