ある病院総合診療医の備忘録+α

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

【JC】PC医による介護者のニーズやリスクの評価 に関してJ Am Geriatr Soc. 2021 Feb;69(2):432-440.

介護者のニーズやリスクは多様で、構造化した評価はされていないという報告でした。ぱっと思いつくのがZaritですが...Resultの内容には納得です。そうはいっても非構造化の評価が悪いかどうかは評価が必要だと思います。

(診断学的にもSystem1 vs 2は特に変わらないわけで)

 

Assessing and Addressing Family Caregivers’ Needs and Risks in Primary Care
J Am Geriatr Soc. 2021 Feb;69(2):432-440.

 

□Introより抜粋

・介護者は生活の支援だけでなく,介護の手配,薬の管理,通院のサポート,健康活動...いろいろな支援を行っている

・多くの研究で効果的な介護者支援はアドヒアランスや身体機能の改善,施設入所や在宅医療の減少など良い転機との関連が認められている

・一方で介護者は高いレベルのストレスを抱え,身体疾患,うつ,不安障害,睡眠障害などのリスクが上昇する指摘もある

・そのためプライマリケア医は介護者のニーズを評価し適切にサポートすることが推奨されている

・研究によっては介護者に対してサポートが必要かどうか聞かれたのは55%程度(Usually以上は28%程度)(JAMA Netw Open. 2020;3(1):e1919866)という文献もある
プライマリケアにおける介護者のニーズとリスクの認識は非常に多様で不均一

プライマリケアにおける介護者のニーズとリスクを評価し、対処するための現在の実践、障壁、促進要因を調べるために行われた研究

□要旨
目的:プライマリケアにおける介護者のニーズとリスクを評価し対処するために現在の実践,障壁,促進要因を明らかにする
調査:メールによる全国的な横断的調査
参加者:プライマリケア医106人(老年医62人,内科医44人)
測定:介護者のニーズとリスクを評価して対処するためのアプローチ,介護者評価を実施する上での障壁と促進要因。
結果:過去1年間に標準化された方法を用いて介護者評価を実施したと報告した回答者はほとんどいなかった(10.5%)。非構造化された議論では介護者のニーズやリスクに関して様々な問題が含まれた。頻度で多いのが患者安全(41.0%),支援を提供する能力(40.0%),支援の必要性(40.0%)。介護者のニーズに対処するためほとんどの医師は患者をサービス(デイケアや在宅ケア)にし紹介する(69.8%),患者の生活状況の適切性の評価(67.9%),介護者を地域の機関に紹介する(63.2%)。介護者のニーズ評価の障壁で多く挙げられたのは時間の不足(81.1%),それ以外に不十分な補償(39.6%),介護者とプライーベートな話し合いができない(33.0%),紹介へのアクセスがない(27.4%),介護者のアセスメントの不確実性(24.5%),紹介のオプションの不確実性,介護者のディスカッションへの抵抗(22.6%)。最もよく挙げられた促進因子はより良い紹介へのアクセス(67.0%),紹介の簡略化(65.1%),ケアマネージャーやSWや行動/メンタルヘルスの専門家のCo-location(65-67%)。介護者評価に対する実践,障壁,促進因子は医師の種類で差がなかった

結論:プライマリケアの医師は、介護者のニーズとリスクを評価するために、標準化された手段ではなく、非公式で非構造化された議論を用いている。議論されたトピックには不均一性がある。知見は介護者評価ツールの研究から実践への移行が足りないことを示している。