ある病院総合診療医の備忘録+α

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

【JC】介護者の評価はどのようにするべきか(J Am Geriatr Soc. 2020;68:1262-1270.)

介護者の評価はどのようにするべきかというインタビューの論文です。標準化された介護者評価が良いことにはみな賛同しているが,障壁は色々...という結果です(フレイルのJ-CHSのような簡潔かつ妥当性のある評価が理想ですよね)。



Caregiver Needs Assessment in Primary Care: Views of Clinicians, Staff, Patients, and Caregivers
J Am Geriatr Soc. 2020;68:1262-1270.

介護者の評価は介護状況に応じた紹介や支援と結びつくことで様々なメリットをもたらす
プライマリケアでの介護者の評価に関してわかっていることは限られている
数多くの介護者評価のツールが開発されているが実践への検討の研究は少ない
またプライマリケア医,患者,介護者が介護者評価に関してどのように思っているか,実践にむけてのメリットをどう考えているかわかっていない

目的:プライマリケアにおける介護者のニーズとリスクを現状の課題や体系的に評価するための機会を得るための研究
デザイン:綿密な半構造化インタビューで構成された質的研究
設定:都市部と農村部にある4つのプライマリケア施設。
参加者:プライマリケアの医師,スタッフ,管理者(n=30)と高齢者の患者や家族(n=40)を対象として意図的なサンプリングと変異最大化なサンプリングを用いた
測定/評価:現在の経験,課題,そして介護者評価を標準化するための機会を評価した。インタビューは録音し,データ分析をした。
結果:
参加した医師は平均卒12.8年,患者は84.0歳,介護者の年齢は67.0歳。現在行われている方法は大きなばらつきがある。参加者は標準化された介護者評価をプライマリケアに組み込むことでケアが向上し,医師と介護者のコミュニケーションを強化し,介護者の努力を検証できると考えていた。評価に対する障壁は時間や報酬の不足,疾患への罹患しやすさの懸念,地域のリソースに対する認識不足,患者の自律性に対する懸念などが挙げられた。今後,介護者評価の導入を促進するために,簡単な自己記入式の評価ツールと評価後にスタッフ同士で議論することがすすめられた。
結論:プライマリケアにおける介護者のニーズとリスクの認識は様々。標準化された介護者評価を診療に組み込むには政策,診療のワークフロー,適切な評価ツール開発のための学際的なアプローチが必要


Table 4. Characteristics of and Suggestions for a Standardized Caregiver Assessment Protocol
(項目のみ抜粋)

□Characteristics of the assessment tool
A.簡潔で分かりやすい説明で、時間の無駄を省く
B.実用的なコンテンツ領域を含むことで、フォローアップのための具体的な課題を特定する
→利用できる助け
→健康管理への理解と支援
→財務と保険
C.介護者の能力や援助の必要性に関しての判断や決めつけは最小限に
D.自己管理を通して正確性と率直さを確保する

□Need for and suggestions regarding post-screen discussions

E.スクリーニングや評価後の議論を組み込む
F.コミュニケーションスクリプトの活用
G.介護者と個別に相談する
H.多くの分野のチームを巻き込む