ある病院総合診療医の備忘録

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

【執筆】「診断エラー学のすすめ」が発刊しました

「診断エラー学のすすめ」が本日発刊になりました!!

「診断エラー」は外来で5%,院内有害事象の6-17%,院内死亡の10%とすごく身近ははずなのに軽視されがちな領域です。
しかし,患者安全の領域では最大のTOPICであり,頻度は前述の通りコモンです。

診断エラーの存在に着目することにより本来の医療のアウトカムである医療を受ける側のアウトカムを改善しますし、またどうすれば次に似たような症例がきたら改善できるか、という医療者の改善のヒントにもなります。21世紀の医療の新たな潮流のトピックの1つである診断エラー,医師だけでなく医療に関わる多くの方々に是非手にとっていただければと思っております。

加えて,診断プロセスというと少し前まではDual process modelやBiasが注目されていましたが今の流れはそれだけではありません。Bias議論やSystem1 and/or System 2を超えた診断プロセスの総論,Root cause analysisや過剰診断,チーム医療,Helath IT,組織,教育...様々な観点からのアプローチ,そして教育的なメッセージにとむ各論の21ケース..という構成になっています

診断や診断エラーに興味あるけどよくわからないという人は 各論→総論
診断プロセスや診断エラーをより深めたいという人は新しい内容も結構盛り込んでいるので 総論→各論

の順番で読んでいただければより面白いと思います

一緒に編集・企画をしてくださった宮上先生,お忙しい中アドバイスをくださった監修の先生方,執筆してくださった診断エラーWGのメンバー,病院総合診療医学会若手医師部会,編集をしてくださった日経メディカルの方々...色々な方によくしていただき本当にありがとうございました。この本をきっかけに診断プロセスの改善や患者安全や医療の質へよい影響がおきれば幸いです。
(個人的には「監修者からの言葉」と「編集部から」がオススメですっ!!)

https://www.amazon.co.jp/dp/4296109316

【JC 流し読み】病歴聴取の中断に関して②(Time to Listen More and Talk Less J Gen Intern Med. 2019 Jan;34(1):1-2.)

Eliciting the Patient’s Agenda- Secondary Analysis of Recorded Clinical Encounters
(J Gen Intern Med. 2019 Jan; 34(1): 36–40.)が掲載されたJGIMの号のEditorialです

 

病歴聴取に関してすごく勉強になりました

(中断の意味に関してはTriple Eや効果的な中断...などいろいろ議論はあるのですが...)

電子カルテの存在による影響はどうしても忘れがちなので改めて再認識しました

 

J Gen Intern Med. 2019 Jan;34(1):1-2.
Time to Listen More and Talk Less

1984年にエリオット・ミシュラーは『Discourse of Medicine』という本で患者と医療提供者は臨床の場に異なるストーリーを持ってくると述べ,医療関係者が患者の話を中断して、目の前の患者のより生物医学的な話を優先することがあまりにも多いことを示した。

患者中心の医療者と患者のコミュニケーションの必要性が認識されるようになり,そ多くの効果的なコミュニケーショントレーニングが開発された。臨床場面で患者にとって一番重要なことに取り組むことは患者中心のコミュニケーションで重要であり,議題の共通設定が必要である。

しかしSingh Opsinaらの研究(J Gen Intern Med. 2019 Jan;34(1):36-40.)ではコミュニケーションの改善にはまだ遠く及んでいない。懸念事項を聴取する確率は低く,中断までの時間は平均11sだった(そして以前の報告より7s早かった)

しかし医療従事者の悪意によるものとは考えにくい...何が原因として考えられるか
・臨床現場での仕事の中心は必要に応じて鑑別診断を行い,標準化されたエビデンスに基づいたケアを行うことである
・標準化されたエビデンスに基づいたケアを提供することと個々の患者に合わせた患者中心のケアを提供することの間には軋轢があることがある。この軋轢が,医療提供者は生物学的な課題を調査し,そのために患者の懸念事項の聴取を重視せず,早く段階での中断につながっているのではないだろうか
・Singh Ospinaらの研究ではプライマリケア医より専門医のほうが,懸念事項の引き出しが少なく,中断が早い結果であった。専門医は紹介の理由を詳細にかいた依頼文をうけ,より疾患の焦点をあてるのかもしれない(しかしこれは患者にとっては重要ではないかもしれない)

□システム的な要素も考えられる
→時間のプレッシャー
→高齢化がすすむことによる患者の複雑か
電子カルテの導入(視覚的にも認知的にも患者から離れる*1
インセンティブシステム

・1日の受診数をふやすことに重点を置いているため,医療従事者は短時間で主要なことに対応しなければいけないといプレッシャーを感じている。プライマリケアの平均診察時間は10分程度といわれている(BMJ. 2002;325(7362):472.)
・ある患者に対して必要な予防サービスをすべて提供するには7.4時間いるという研究もある(Am J Public Health. 2003;93(4):635–641.)
・多並存疾患や複雑な患者や高齢者の場合はBPSに対応する必要がありさらに多くの時間を必要とする

・EHRの導入により視覚的にも認知的にも患者から離れる(J Gen Intern Med. 2005;20(8):677–682)
・医療従事者がコンピュータに集中すると、患者の積極的な参加度は低下する。(J Gen Intern Med. 2018;33(4):423–428.)
・EHRの導入より生じた情報過多への対処が必要(過去のDataの確認など),文書化,画面操作や画面表示への対応などもする必要がある

・組織的なインセンティブと金銭的なインセンティブが、患者中心のケアとずれている。
・チェックリスト診療に対する疲労や陰性感情もある
エビデンスに基づいた診療ガイドラインに従おうとすると、医療提供者は常に情報過多と闘わなければならない。
・臨床的に何が最も重要なのか,ましてや患者にとって何が重要なのかを見極めるのに苦労することもある
・Pay for Perfomanceにインセンティブを導入しているところもあるが,他のインセンティブの方がより強力である可能性がある。
チェックボックスにチェックを入れたり,医療システムのルールに従うようにインセンティブを与えると,患者の話を邪魔してしまうのは当然のことである。



・患者中心のコミュニケーションとは,まず患者にとって何が最も重要なのかを理解し,その好みをその後のケアの意思決定に反映させることを目指すものである。このコミュニケーション戦略がうまく行われると,医師患者関係が強化され,最終的には推奨事項へのアドヒアランス向上やケアのアウトカムの改善につながることになる。
・我々は患者さんの話を臨床の場に取り入れられるようにする必要があり、多くの人がそうしたいと考えている。
・医療システムを再構築する必要がある
 


*1:J Gen Intern Med. 2005;20(8):677–682

【JC 流し読み】病歴聴取の中断に関して①(J Gen Intern Med. 2019 Jan; 34(1): 36–40.)

病歴聴取の中断に関して(J Gen Intern Med. 2019 Jan; 34(1): 36–40.)

 

すごく有名な18sでの中断研究*1,その後...というJGIMからの研究でした。研究自体は意思決定共有ツールを導入しても患者の懸念事項の聴取の割合は改善しなかったという結果。ほかに中断までの時間は11sだったという内容やプライマリケア医のほうが懸念事項の聴取ができていた(49% vs 20%)という結果も。

研究内容だけでなくIntroやDiscussionも読むだけで勉強になりました。同号のEditorialは次のネタに

 

 

Eliciting the Patient’s Agenda- Secondary Analysis of Recorded Clinical Encounters
J Gen Intern Med. 2019 Jan; 34(1): 36–40.

背景:患者の懸念事項を聞き出し,注意深く聴取することは患者中心のケアにつながる。しかし臨床医はしばしば患者から聞き出せなかったり,聞き出しても中断してしまう
目的:異なる臨床設定において臨床医は患者の懸念事項をどれくらい聴取しているか,意思決定共有ツールが影響を与えるかを調べた
デザイン,参加者:
測定:無作為に抽出された112の症例の二次分析を行った
測定:2人のレビューワーが独立して,患者の懸念事項の引き出しの完遂や中断までの時間を明らかにし,意思決定共有ツールの使用に応じた議題の引き出しに関して分析を行った
結果:臨床医が懸念事項を聴取できたのは36%(40/112)だった。プライマリケア医は49%,専門医は20%だった。意思決定共有ツールの使用は懸念事項の聴取に影響を与えなかった。懸念事項を聴取できた症例(40例)のうち67%(27例)で中断が発生して,中央値は11秒だった。中断されなかった患者は約6秒で懸念事項を述べた。
結論:臨床医が患者の懸念事項を引き出すことはあまりなく,中断までの時間も以前より早かった。プライマリケア医のほうが懸念事項を引き出す確率が高かった。懸念事項の聴取ができないと臨床医は臨床現場での優先順位を患者さんにとって重要な側面に向ける可能性が低くなる

●Introなどから抜粋

病歴聴取には
・患者と臨床医の関係構築になる
・癒しの意味合いもあり,患者へのニーズへの対応にもなる

患者の懸念事項を引き出し理解することのメリット
・コミュニケーションの効率をよくする(Arch Intern Med. 2008;168:1387–95)
・建設的な協力関係が構築される
・患者中心のケアにつながります
・医師の説明への理解度向上( J Gen Intern Med. 2005;20:267–70.)

中断に関して
・69%の症例で平均18sで中断(Ann Intern Med. 1984;101:692–6. )
・平均23s(JAMA. 1999;281:283–7)
・平均16.5s( J Gen Intern Med. 2005;20:267–70.)

懸念事項の聴取に関して
・23%(Ann Intern Med. 1984;101:692–6. )
・75%(JAMA. 1999;281:283–7)
・60%(J Gen Intern Med. 2005;20:267–70)

●Discussionより抜粋

ほとんどの患者は92sで自発的な話が終了する(BMJ. 2002;325:682–3.BMJ. 2004;328:501–2.)

中断による効果(議題を明確にしたり,集中することができる)やメリットの話もある(JAMA. 2017 Mar 14;317(10):1021-1022.)が,これに対して中断の有用性はかなり低いという反論もある(JAMA. 2017;318:93–4.)

今回の研究でSDMツールが効果を発揮できなかったのはタイミングが関連しているのかもしれない
懸念事項を引き出すのは診療初期で行いSDMは診療終盤で行うため

*1:Ann Intern Med. 1984;101:692–6.

【JC】カーネット徴候とClosed eye signの有用性は?(Am J Emerg Med. 2020 Dec;38(12):2759.e1-2759.e4.)

カーネット徴候の存在を知って全例ルーチンでとるようにしたら最初に陽性になったのが虫垂炎の症例だったのは一つの思い出です

腹痛のフィジカルは単一の情報に飛びつくのではなく,症例や状況によってどう使うか/解釈するか、が醍醐味なのかなと思っています

 
・腹壁疾患の可能性があれば一定の体動での誘発やCarnett徴候が有用。Carnett's Testは精神的な痛みと腹壁の痛みで陽性(OR 2.6-2.9)(Intern Med.2011;50:213-217)
・Closed eye sign:腹部触診時に目を閉じているときは心因的要素を考える。器質的疾患に対して感度7%特異度67% LR+ 0.2 (BMJ.1988;297(6652):837)
といわれています。果たして今回の研究では!?



Clinical Utility of Carnett and closed eye sign in emergency department
Am J Emerg Med. 2020 Dec;38(12):2759.e1-2759.e4.

目的:カーネット徴候(CAR)やCLosed eye sign(CE)は救急の腹痛診療において使われるフィジカル。一次アウトカムはCT所見、二次アウトカムは入院や外科的介入としてCARとCEの感度特異度を調べる。

方法:急性(48時間以内)の非外傷性,非術後の腹痛でCTが必要と判断された症例を登録し,CT前に身体所見を記録した
結果:320人が登録された。76.5%でCTで所見があった。CAR陽性は145人,CE陽性は187人だった。CARは入院に対して感度42.2%特異度38.9%,外科的介入に対して感度44.8%特異度43.1%、CEは入院に対して感度28%特異度51.6%、外科的介入に対して感度25.9%特異度55%。CARとCEでCT所見の頻度に差はなかった。
結論:CARもCEも救急外来で使用する場合感度も特異度も不十分。CT所見の頻度も所見の有無で変わらず。

Populationによっても結果は変わる、というのも踏まえての解釈が必要だとはおもいますが、これはこれで一つの結果ということで。
 

【JC 流し読み】フレイル+独居やフレイル+社会的孤立は死亡リスク上昇

Frailty Combined with Loneliness or Social Isolation: An Elevated Risk for Mortality in Later Life
J Am Geriatr Soc 68:2587-2593, 2020.



背景:フレイル,孤独,社会的孤立は全て有害的に関連しているが,その組み合わせに関しては知られていない
デザイン:前向きコホート研究
設定:アムステルダムでの縦断的調査
参加者:65才以上の高齢者1427人
測定:フレイルはフレイルのPhenotype(Fried criteria).孤独はDe Jong Gierveld Loneliness Scale.社会的孤立はパートナーの状態,社会的支援やネットワークなどで判断した。フレイル,姑息,社会的孤立に関してそれぞれ2つのカテゴリー変数を作成した。死亡率は1995年-2017年にわかってモニターした。生存曲線とCOX比例ハザードモデルを用いてフレイルや孤立の組み合わせが死亡率に及ぼす影響を調査した。うつ,慢性疾患,喫煙,社会人口統計要因で調整した。
結果:フレイルは13%,フレイル+孤独が5.9%,フレイル+社会的孤立が6.2%だった。調整後でもフレイルのみの高齢者は死亡リスクが高かった(HR 1.40-1.48)。しかし,フレイル+孤独ではHR 1.83,フレイル+社会的孤立ではHR 1.77とさらに死亡リスクが上昇した。表現型ではなく累積アプローチによるフレイルの評価スケールをつかっても同様の結果が得られた。

結論:
フレイルがある高齢者は死亡リスクが高いが,孤独や社会的孤立が加わるとさらにリスクが上昇する。身体的にフレイルがある高齢者の幸福や健康の転記を改善するには主観的および客観的,両方の社会的脆弱性に焦点を当てた介入が必要。
 
 

独居であること,社会的孤立であること,本人の意向やそれまでの歴史...などなど個々の要素が強い因子ですがやはり医療的にはNegativeな方向に働くことは少なくない印象があります(だからといって独居=NGとかそういう議論ではないです)。

 

個人的にはIntroを読むだけでも勉強になりました!!

 

【JC流し読み】終末期医療にはパラダイムシフトが必要!?

JAGSのEditorialより

We Need a Paradigm Shift Around End-of-Life Decision Making
J Am Geriatr Soc. 2021 Feb;69(2):327-329

どう解釈するかは色々考えがあると思いますが勉強になりました

(現状だとこのへんの進展が漸進的なので...)終末期の意思決定に関する諸問題を個々の問題にしたり、寛容になるのではなく、システムや社会学や行動学のアプローチをつかってもっとうまくできないかという内容でした

 

We Need a Paradigm Shift Around End-of-Life Decision Making
J Am Geriatr Soc. 2020 Nov 10. doi: 10.1111/jgs.16899.

エビデンスは乏しいが,専門後見人は意思決定能力を失った患者の代わりに医療上の意思決定を行うことをまかされた人であり,個人とは以前の関係がないため終末期が近くでも負担の大きい治療を選ぶと思われていた。
Journal of the American Geriatrics Society誌のこの号で、Cohenらは、中等度から重度の認知症を持つ65歳以上の老人ホーム入居者で、専門の後見人がいた退役軍人は、専門の後見人ではない意思決定者と一緒に死亡した同じ集団に比べて、高強度の治療を受ける可能性は低いことを発見した。(J Am Geriatr Soc. 2020 Nov 10. doi: 10.1111/jgs.16900)

1960年代につくられたLiving willは患者が様々な状況を想定して受けたい治療を事前に記述するという方法で自律性を確保するというものだった。しかし,実際に直面する無数の治療の決定やシナリオに対応できないという認識から現在では意思決定の代行者や後見人にうつすという方法が行われている。

代行者の判断は自身の好み,感情,罪悪感から切り離し,対象者が事前の治療プランに関する会話や,その人が望んでいたであろうことをまとめ推定することが前提になっている

事前の指示書があっても一致しないことは驚くべきことではない
代行者や臨床医は事前指示書と一致しない治療法を選択することが多い(J Palliat Med.2017;20(12):1400-1404.Arch Intern Med. 2004;164:1531-1534)
ケアの好みは永続的なものではなく,選択肢そのものが代行者の選択にも大きく影響する(J Am Geriatr Soc. 2007;55(7):1007-1014.Crit Care Med. 2013;41(7):1686-1691)


Cohenらの代理人による意思決定は通常と変わりないという知見(J Am Geriatr Soc. 2020 Nov 10. doi: 10.1111/jgs.16900)は米国でのACPへの集中的な取り組みから代理意思決定へのパラダイムを検討してもよいという発見である

いくつかの研究で事前のACPが強強度の治療の減少と関連していることが示すものもあるが,効果が乏しい,あるいは効果がないという大規模研究がある(J Pain Symptom Manage. 2018;56(3):436-459.e25.JAMA Intern Med. 2020 Aug 1;180(8):1070-1078.Br J Cancer. 2018 Nov;119(10):1182-1190.)

(略)

我々はACP,AD,代理人の判断の問題点に寛容になるべきではなく,意思決定能力のない人の意思決定の改善のために他の戦略を検討する必要がある。
緩和ケアや老年科学会は社会学,組織行動,システムデザインなど社会的な相互作用やネットワーク行動を理解した他分野の経験がある人の知識や方法論と協力し適応させる必要がある。高強度のケアに対して積極的な現状に対して広範で体系的な変化が起こらない限り,漸進的な変化しか見られないであろう。

【JC 流し読み】後見人の有無でも終末期治療の選択に変わりはない

意思決定能力を失ってしまった患者さんのために選ばれた後見人の場合,終末期において強めの治療をするか?という問いへの答えがJAGSで出ていました(J Am Geriatr Soc . 2021 Feb;69(2):342-348.)

違う国の研究なので日本で同じ結果がでるかはなんともですが、自分のイメージと違う結果で勉強になりました

 

Guardianship and end-of-life care for veterans with dementia in nursing homes.

J Am Geriatr Soc . 2021 Feb;69(2):342-348.

背景/目的:専門後見人は意思決定能力を失った患者の代わりに医療上の意思決定を行うことをまかされた人であり,個人とは以前の関係がないため終末期が近くでも負担の大きい治療を選ぶと思われていたがそのエビデンスはなかった
デザイン:後ろ向きコホート研究
設定と参加者:2011-2013年に死亡した65才以上の退役軍人のうち介護施設の入所中で中等度以上の認知症を持つ人の出たーを使用した。後見人がいる人といない人で年齢,性別,人種,認知症の重症度,介護施設の種類を1:4の比率でマッチさせた
測定:
主要アウトカムは死亡前30d以内のICU入院。副次アウトカムとして死亡前30d以内の機械換気と心配蘇生,死亡前90d以内の経管栄養留置,死亡前90d以内の3回以上の病院への搬送,院内死亡

結果:
ICU入院は後見人がいる群で多かった(17.5% vs 13.7%)が有意ではなかった。他の治療に関しても有意差はなく一貫したパターンもなかった。
結論:後見人の有無で強度の高い治療の割合はかわらない。後見人がいない群でも強度の高い治療が予想外に行われていた。