ある病院総合診療医の備忘録

関東在住の総合診療医・老年病専門医です。日々の学びの書き留め用に。 Twitterもはじめました。 @GHhrdtk

高齢者医療

「薬剤性転倒のリスク評価,予防,対策」を執筆させていただきました

ペインクリニックという雑誌で11月号に総合診療医としての立場で「薬剤性転倒のリスク評価,予防,対策」を執筆させていただく機会をいただきました(ペインクリニック 41:1459-1469.2020)「転倒」だけですごい情報量になるので,どうまとめるか,どういうメッセ…

【JC:FRID:Fall-Risk-Increasing Drugsのメタアナ&システマティックレビュー3論文】

Fall-Risk-Increasing Drugs: A Systematic Review and Meta-Analysis: I. Cardiovascular DrugsJ Am Med Dir Assoc. 2018 Apr;19(4):371.e1-371.e9.調整済みORループ利尿薬 1.36β-blocker 0.88調整なしORジギタリス OR 1.60ジゴキシン OR 2.06スタチン OR 0…

JC ポリファーマシーへの介入:SR+Meta-analysis

Deprescribing for Community-Dwelling Older Adults: a Systematic Review and Meta-analysis. J Gen Intern Med. 2020 Aug 20. pii: 10.1007/s11606-020-06089-2. doi: 10.1007/s11606-020-06089-2. 背景:ポリファーマシーと不適切な薬の使用は転倒,入院,…

【JC】アルツハイマー型認知症の予防

Evidence-based prevention of Alzheimer`s disease: systematic review and meta-analysis of 243 observational prospective studies and 153 randomised controlled trials.J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2020 Jul 20. pii: jnnp-2019-321913 https://p…

【JC】振動刺激トレーニングでフレイル患者の機能改善

全身振動刺激トレーニング(Whole-Body Vibration Training):全身振動刺激装置によって微細な振動を与える機械上で自重負荷を用いた運動をおこなうというものを初めて知りました フレイル患者の機能改善に有用という報告Effects of Whole-Body Vibration Trai…

【JC】非癌末期への緩和ケア介入(BMJ. 2020 Jul 6;370:m2257)

【JC】非癌末期への緩和ケア介入(BMJ. 2020 Jul 6;370:m2257) 非癌末期患者に対する緩和ケアは救急受診や入院を減らし,在住地での看取りが増加した Association between palliative care and healthcare outcomes among adults with terminal non-cancer ill…

【JC】高齢者の高血圧におけるCCB→ループの処方カスケード

高齢者の高血圧におけるCCB→ループの処方カスケードに関しての文献ですEvaluation of a Common Prescribing Cascade of Calcium Channel Blockers and Diuretics in Older Adults With HypertensionJAMA Intern Med. 2020 Feb 24;e197087.【内容の要旨】・重…

【JC】OAと高齢者医療

OAはmultimorbidity,polypha...OA×高齢者医療は色々と関連が強そうな感じですね。今回は OA→フレイルのリスク(BMC Musculoskelet Disord. 2015 Nov 17;16:359.) OA→社会的孤立のリスク(J Am Geriatr Soc. 2020 Jan;68(1):87-95) という2つの論文の紹介になり…

【JC】FRID:fall risk-increasing drugに関するシステマティックレビュー

FRID:fall risk-increasing drugに関するシステマティックレビューFRIDの定義はいろいろですが通常はBZO,Z-drug,抗精神病薬,抗うつ,オピオイド。場合によっては心血管や血糖降下薬がふくまれることもあります。 今回の内容としては ・転倒した高齢者ではFRID…

JC:VitD±Ca補充と骨折との関連

論文によっても結果が異なったり議論になったりするVitD補充と骨折の関連。システマティックレビューとメタアナリシスの論文(JAMA Netw Open. 2019 Dec 2;2(12):e1917789)になります 結果としては VitD補充→骨折低下しないVitD+Ca補充→骨折低下する(骨折全般…

【JC】ベッドサイドの付き添いは転倒リスクを軽減するか?

ベッドサイドの付き添いは転倒リスクを軽減するか? という内容のシステマチックレビュー(Ann Intern Med. 2020 Feb 4. doi: 10.7326/M19-2628.)の紹介です Sitters as a Patient Safety Strategy to Reduce Hospital Falls: A Systematic Review.Ann Intern …

【JC】高齢者起立性低血圧の非薬物療法

起立性低血圧(OH)は高齢者に多く、かつ、QoL低下、認知症、転倒、死亡...いろいろなリスクに関連しています。非薬物療法が第一選択とされて弾性ストッキングが推奨されていますが実はなにが一番良いか...などはわかっていないことが多い...ということですこ…

【JC】高齢者に対する降圧(140mmHg vs 120mmHg)で転倒リスクは上昇するか

転倒に関してのJCです SPRINT研究のデーターを用いて120mmHg vs 140mmHgを対象とした降圧の結果,高齢者において転倒が上昇するかどうかを比較した研究です Impact of Intensive Blood Pressure Therapy on Concern about Falling: Longitudinal Results from…

高齢者の身体機能評価:SPPBに関して再確認

高齢者の身体機能評価:SPPBに関して再確認 Timed up and goに続いて今度はSPPBに関して再確認してみました ■Short Physical Performance Battery/簡易身体能力バッテリー (SPPB) ・身体機能の指標の1つで主に下肢機能の評価する・試行に10分かかる(BMC Geria…

Timed up and go testに関して復習

転倒した人の評価や高齢者機能評価などでよく使うTimed up and go test、本によって記載のニュアンスが微妙に異なっていたり実際のところはどうなんだろう?ということでちょっと確認してみました(Get up and go testでもいいのですがここではTimed up and g…