ジャーナルクラブ
入院患者さんでWBC±発熱がまずでて色々検索するも原因不明→その後に下痢でCDIの診断、というCDIあるあるジレンマ 入院患者においてWBC>15000+下痢なし、の状況でCDI検索はするべきかに関してのJC先行研究(Clin Infect Dis. 2002 Jun 15;34(12):1585-92)WBCが…
敗血症疑いにおける救急外来でのバイタルサインの予後比較qSOFA vs NEWS ファイッ!!→NEWSは感度高め,qSOFAは特異度高めという結果Comparison of qSOFA and Hospital Early Warning Scores for prognosis in suspected sepsis in emergency department patien…
鳥と卵、どっちがどっちはともかく...難聴→認知症、だけでなく難聴と身体機能低下速度、難聴と身体機能低下の存在、は関連があるという報告。 このへんは今後出るであろう前向き介入研究に期待、というところでしょうか。 進行中の難聴介入の前向き研究も結…
重度好酸球上昇の鑑別がAJMにあがっていたのでAbstのみチェック 5000以上のEoの場合.. ・感染症の頻度は少ない ・入院中発症の場合はほとんどが薬剤 ということでした。 日本の疫学とかも興味あるところですね A Retrospective Review of 193 Cases of Sever…
事件は現場で起きている!?ということで作業療法士による家庭環境を対象とした介入を行った転倒予防のRCT 結果はNegative studyと残念な結果。転倒予防研究はPopulationの選定とアドヒアランスや介入の遵守率がネックな気がしています。Positive studyが出な…
今年度よりJPCA関東甲信越ブロックで行っている総合診療プログラム専攻医を対象としたオンラインレクチャー、第2回目のテーマ「ヘルスメンテナンスだ」の中で紹介されていた論文ですhttps://www.facebook.com/groups/302513727999950/Updated Priorities Amo…
院内でのベッド移動と院内感染症の発症に関連性はあるか、という研究@BMJQS なにをもって不要とするか、の基準は難しそうですが...大事な視点での研究だと思いました Association between intrahospital transfer and hospital-acquired infection in the el…
毎月獨協でさせていただいている老年内科Lecture 今回は脂質異常症をテーマにさせていただきました 日本と海外のガイドラインの比較,6%ルール,有害事象,ノセボなどの確認と 75歳異常,フレイルや終末期の状況でのスタチン継続の是非...etc 話させていただきま…
Individualizing Prevention for Older AdultsJ Am Geriatr Soc. 2018 Feb;66(2):229-234.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29155445/毎月獨協総診で老年内科Lectureをさせていただいていて,その時いただいた質問がきっかけで調べた文献になります JAGS2018…
Pisaの斜塔のような姿勢異常,Pisa症候群 パーキンソン病でみられることがある姿勢異常の1つで側屈を伴う軸索性ジストニア まとまって調べたことがないのでちらっと調べてみました。可逆性のことがあることや2方向でのレントゲン撮像は知らなかったことなので…
Get up and go/Timed up and goは色々情報得られるのですが転倒に関するエビデンスという点では実はふわっとしています(J Am Geriatr Soc. 2013 Feb;61(2):202-8.BMC Geriatr. 2014 Feb 1;14:14.Age and Ageing 2008; 37: 442–448)なので個人的にはSPPBのほ…
イギリスのプライマリ・ケア領域の診断エラーの測定研究(BMJ Qual Saf. 2021 Jun 14;bmjqs-2020-012594.) 診断機会の損失は4.3%で発生,37.1%で中等度以上の害をもたらしていた プロセスでの主な要因は診察,検査の実施と解釈,フォローアップ関連が多く,72%は2…
■降圧剤で転倒するのか② SPRINT研究以外にも色々調べてみると...研究によって差があり systematic review and meta-analysisだと有意差なしの結果 「健康な高齢者」なのか「機能障害がある高齢者」なのか,起立性低血圧があるのかないか...このへんはなかなか…
JC:降圧剤で転倒するのか① 降圧の歴史を変えたSPRINTstudyの関連文献で高齢者の降圧で転倒を増えるか調べてみました SPRINTstudyに組み込まれるような(高リスクの)健康な高齢者では降圧による転倒リスクで有意差は出ない、という結果 (関連文献の多さにも驚…
■Clinical Frailty Scaleに関して・定義がわかりやすい・臨床応用しやすいと非常に使いやすいCFS そして,CFSは様々な臨床転機と相関しているという報告(BMC Geriatr. 2020 Oct 7;20(1):393)もあります。高齢者医療に興味がある!!ってひとはCFSを意識してみる…
フレイル患者における降圧はどうするかCirc Res. 2019 Mar 29;124(7):1045-1060.レビューからの抜粋・健康な高齢者を対象とした臨床研究では80歳以上でも降圧のメリットが示されている・しかし、超高齢者では機能的不均一性が非常に大きいため、一律の治療戦…
高齢者の血圧管理に関して 1.血圧は死亡14-18年前にピークを迎え徐々に減る(JAMA Intern Med. 2018 Jan 1;178(1):93-99.) 2.2剤以上併用の高齢者で降圧剤中止してもあまり変化はない(JAMA. 2020 May 26;323(20):2039-2051.) Blood Pressure Trajectories in …
ガチっぽいデザイン+大規模研究での転倒介入Negative studyなので個人的には残念でした。論文の量に悶絶しつつ流し読み(Discussion部分が個人的には最高でした).コストに関して一旦カットしてます。 Negative Studyではありますが...Fall prevention interve…
J Am Acad Dermatol. 2019 Sep;81(3):657-666.多汗症の鑑別は?ということで調べてみました ●個人的ポイント アメリカのアンケート研究では4.8%に多汗症があると考えられる医療者に話すのは4割程度なので診断されていない人が多い,QoLが低下し,抑うつや不安…
Convulsive syncopeとは!?(正式な和名がわかりませんでした...)多いのは迷走神経反射に伴ってですが...失神をきたすような脳血流低下状態で痙攣が起きうることを知っておくことは大事です。 でないと「迷走神経反射で失神する→倒れる前に誰かが支える→痙攣」…
痙攣 vs 失神 を見分ける病歴といえばCalgary Syncope Symptom Score(J Am Coll Cardiol. 2002;40(1):142-148)が有名です。これはどれくらい有用なのか?というのを調べてみました。 追加の検証研究だとちょっと微妙そうです。。 Historical criteria that d…
個人的にはPreventable Dementia (Lancet 2020; 396: 413–46)は主に・心血管リスク系(高血圧,喫煙,肥満,運動不足,糖尿病)・政策系(大気汚染,教育)・その他(社会的孤立,難聴,外傷性脳損傷,アルコール多飲)に分かれていると思っています。難聴→認知症、に関し…
脳卒中後(脳梗塞や脳出血後)の発熱/微熱って中枢性なのか感染症なのか、ふくめ結構悩みどころだと思っています。過去に調べてうまくいかなかったのですが、リベンジしてみました。 いくつかの探索的検索でひっかかった文献の抜粋になります □脳卒中による発…
□前庭性片頭痛に関してmigraine-associated vertigo ではなく vestibular migraineのほうが主流っぽいということを先日後輩から学びました個人的には末梢性めまいの頻度はBPPV>前庭神経炎>前庭性片頭痛と思っているので、それなりに重要だと思っていますと…
前回にひきつづきALS関連で,診断遅延を短くするには?(Neurol Res Int. 2020 May 11;2020:1473981.)の内容です。 ALSの症状4パターンの把握とRed flag「進行性の構音/嚥下障害」「(特に左右非対称性の)進行性の局所の筋萎縮」 の早期認知がやはり鍵なのと、…
ALSの診断までの時間と初回診察に関連する因子(J Neurol Sci. 2020 Oct 15;417:117054.)の抜粋になります。 多く診たわけではないですし、これが鑑別に上がる/鑑別の片隅にのこるときはじわりとくる感覚を覚えます。。診断までのプロセスも、可能性が高いと…
転倒ガチ勢によるガチ評価というところでしょうか。転倒で介入可能な原因が見逃されているという研究。頻度が高すぎる!?など色々思うところはある結果ですが,「視力評価の視点は大事」「FRID(fall-risk-increasing drug)への介入はER側だと難しい」とも思い…
フレイルの表現型基準すべて該当するとPoint of no returnかも?(J Am Geriatr Soc. 2021 Apr;69(4):908-915) 個人的には激熱論文でした。フレイルは表現型モデルのほうが臨床的には使いやすいです。3-4個であればリターンできる可能性があり,5個すべて該当に…
難聴や難聴+視力障害は認知機能低下リスクという論文です。難聴自体が認知機能低下リスクですが、視力障害もくわわると上乗せされるかも?という話でした。(なお、視力障害単体では有意差なし) Longitudinal Association Between Hearing Loss, Vision Loss,…
介護者の評価はどのようにするべきかというインタビューの論文です。標準化された介護者評価が良いことにはみな賛同しているが,障壁は色々...という結果です(フレイルのJ-CHSのような簡潔かつ妥当性のある評価が理想ですよね)。 Caregiver Needs Assessment …